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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
初めての街
26/210

23 領主の館⑥

お読み頂きありがとうございます!

お楽しみ頂ければ何よりです。

よろしくお願いします。

昔話が終わるころには、大分日が傾いていた。


「っと、もうこんな時間か。ついつい楽しくなって話過ぎちまったな。」


「いえ、父の昔話が聞けてとても楽しかったです。まさか学生時代にあんなことをしていたなんて。」


「ああちなみに、今の騎士学校長はヤツが叩きのめした元校内主席だ。話す機会があったら親父のことを聞いてみるといい。どんな反応をするのか、見ものだな!ガハハハッ!」


「・・・」


その情報は正直聞きたくなかった!


「ところで、ジェフリー。今日泊まる宿は決まってるのか?」


「いえ、こちらに到着して早々に連れてこられたので・・・」


「ああ、そういえばそうだったな。悪い悪い。それなら今日はウチに泊っていけ。」


「えっ!よろしいんですか?」


「当然だろ!わざわざ呼びつけたのは俺のほうだ。それに、あいつの息子なら俺の甥みてぇーなもんだしな、遠慮すんな。」


この先の生活を考えると懐的にもありがたい。

ここはありがたく、お言葉に甘えるとしよう。


「それでは、お言葉に甘えさせて頂きます!」


「おう!ゴッドじぃ!」


「はっ!すでにお部屋の準備のほうは完了しておりますゆえ、このままお連れ致します。」


ゴッド執事長はすでにこの流れを読んでいたようだ。さすが神。


「ジェフリー。今日は、お前と話しができて楽しかった。またウラノスに寄った時は、いつでも歓迎してやるから挨拶にこい!じゃあな!」


グレイシス辺境伯はそう言うと応接室を出ていった。


「・・・それでは、ジェフリー様。お部屋へご案内致しますので、こちらへ。」


「はい、お願いします。」


俺はゴッド執事長に連れられ、応接室をあとにした。


到着したのは、それは大きな部屋だった。


調度品はもちろん高品質でベッドは・・・キングサイズ?

こんなに大きなベッドを見るのは初めてなので、正直わからないが。


おまけにトイレにお風呂まで付いている。

一生ここで暮らせそうだな・・・。


などと惚けたことを考えていると、ゴッド執事長が真面目な顔をして、突然深く頭を下げてきた。


「ジェフリー様、本日はお越し頂き、本当にありがとうございました。最近の旦那様は仕事に追われ、とても疲れたご様子で、笑顔を見せることもございませんでした。ジェフリー様とご歓談なされるお姿は心底楽しそうで、良い息抜きとなったことと思います。グレイシス辺境伯家に仕える使用人一同を代表して、心よりお礼申し上げます。」


「い、いえ!こちらこそ父の昔話が聞けて本当に良かったです。騎士学校での目標も見つかりましたし、騎士になりたいという思いもより一層強くなりました。偉大な父に届くよう一生懸命頑張りたいと思います。」


「ジェフリー様であれば、必ず成し遂げるでしょう。むしろ、このままご成長されれば追い越してしまいそうですな。ハッハッハ!」


何気に俺の力量もバッチリ把握されているらしい。

抜け目がないな。さすが辺境伯家の執事長だ。


「それではジェフリー様、ご夕食の準備を致しますので、しばしお寛ぎください。」


ゴッド執事長は、そう言うと部屋を出ていった。


しばらくすると、メイドさんが部屋に夕食を運んできてくれた。


てっきり晩餐会のような感じで食堂に案内されるものと思っていたが、どうやら辺境伯のほうは、まだまだ仕事が残っているらしく、卓を囲んでの晩餐は難しいらしい。


非常に残念がっていたとのことだ。


ちなみに、奥さんと娘さんは王都にて社交の真っ最中で、しばらく帰ってこられないため、辺境伯は実質お一人で過ごされているのだとか。


あの人の娘さんとか・・・ちょっと怖いな・・・。


いやいや、ウチと一緒で親父に似ていないパターンかもしれない。


まあ、いつかご挨拶できるのを楽しみにしておくとしよう。


夕食は・・・死ぬほど美味かった。


いや、もはや死んでもいいと思ってしまうくらいに美味かった!


野営の際にテキトーに焼いただけでも美味かった魔物のお肉が、きちんとしたプロの料理人、それも辺境伯家お抱えの最上級のシェフにより調理され、極限までその旨味を引き出されている。

新鮮で瑞々しい野菜たちも彩り豊かに添えられており、一品一品が芸術品のように美しい。


さらに驚くべきなのは、調味料をふんだんに使っていることだ。俺の家で使用していた調味料は塩やちょっとした香草(ぶっちゃけそのへんから摘んできたやつ)くらいだった。


夢のなかで見た調味料などはこの世界にないと思っていたが、こうして調理された料理を食べてみると、醤油に味噌、調理酒、塩、胡椒といった調味料が絶妙な加減で使われており、とてつもなく美味だった。


うん。いい人生だった。


最後に“最高の食事(しあわせ)”をくれてありがとう・・・









































――・・・・いや、いやいやいや、ちょっと待て!

まだだ、まだ終わらないぞ!

俺は騎士になるんだ!

俺の人生はこれからだ!


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