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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
王立騎士学校
209/210

190 魔法学園の案内人

魔法学園の校舎は、我らが騎士学校の校舎とは違い、随分と芸術的な建物であった。まるで物語にでてくる大聖堂のような、それでいて前衛的なデザインである。


「ほぇ~なんやこれ。ほんまに学校なんか?」


「これは凄いね。校舎自体が巨大な美術品のようだ」


俺とジョーが感心しているところへ、ティナとロザリーが受付から戻ってきた。


「エリスたちは今、ちょうど学園長と面会中らしいわ。あの女性が案内してくれるって言うから、私たちもこのまま付いて行くわよ」


ティナの振り返った先に目をやると、中年くらいの優しそうな女性がこちらを見ている。案内してくれるというのは大変ありがたい。


まあ、俺たちのような余所者(よそもの)に問題行動を起こされたら困るというのもあるのだろうね。かつて無断で学園に乱入した誰かさん(父さん)のように・・・。


「うん。分かった」


俺はその提案を受け入れ、女性に軽く一礼する。


「案内よろしくお願いします」


「かしこまりました」


女性も綺麗な所作で礼を返してきた。


そうして学園内を歩いていると、露骨な視線があちらこちらから飛んでくる。聞いていた通り、女子生徒が大半を占めているらしく、ほとんどの視線が俺かジョーに向けられているようだ。


ジョーがニヤつきながら言ってきた。


「なんやモテまくってるみたいで気分ええなぁ。ジェフリーも、あっつい視線刺さりまくってんで~」


「う、うん・・・」


おいやめろジョー。それ以上言うな。殺されるぞ!


女子生徒の視線に浮かれたジョーは気づいていないみたいだが、マルティナさんがさっきからめちゃめちゃ不機嫌なんだよ。歯ぎしり音もどんどん大きくなってるし。怖すぎ!


俺は空気を変えるために案内人に話を振ることにした。


「そ、そういえば、ここの校舎って凄く綺麗ですよね! まるで芸術品みたいな」


案内人の女性は柔和な笑みでチラリと振り返り、ゆっくりと話しだす。


「ええそうですね。実は、外部の人にはあまり知られていませんが、ここはもともと学校として造られた建物ではないのですよ」


「そうなのですか!?」


「はい。この建物は学園ができるよりも遥か昔。千年以上前に造られたものだそうです。学園に置いてある史書には、このガレーリア王国の(おこ)りとともに造られた “ 神殿 ” であったと記されています」


「 “ 神殿 ” ですか?」


「詳しくは、本校の魔法史という授業で教わるものなのですが、少しだけ・・・」


案内人曰く、かつて魔法は神から与えられる力と考えられていたらしい。そして “ 神殿 ” というのは、神から魔法を授かる儀式を行う場所であったのだという。


「魔法が呪文と構築式により体系化された現代では、そういった儀式はもはや必要ありません。しかし、今でも学園では、入学式の際にこの儀式を行います。あくまでも儀礼的なものですけれど、魔法の歴史を学ぶには実際に体験するのが一番ですから」


校舎と魔法の歴史について一通り聞き終えた頃、俺たちは大きな扉の前に到着した。


「こちらが学園長室になります。くれぐれも失礼のないようお願いしますね。それではお気をつけて」


女性が振り返って、そんな物騒なことを言ってくる。


どういうこと?!

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