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2　ターゲットは・・・

5年が経って、俺は17歳。

同い年のやつらは高校にでも通って“幸せ”に生活していることだろう。

この年齢になれば、流石にわかる。ウラの世界の住人は俺だった。オモテの世界で人を殺すのは禁忌であるようだ。まあウラの世界の俺には関係ないだろう。今日も俺は人を殺す。

そろそろターゲットが現れるはずだ。

・・・・・・あれか？

我ながら呆れるしかないが、このときの俺は間抜け面を晒していたことだろう。

今回のターゲットは子供。しかも見た目通りなら7歳くらい。子供を殺したのは初めの1回だけだったな。

オモテの世界の住人のくせに“幸せ”そうには見えなかった。ずっと俯いたまま足取り重く歩いている。

とりあえず後をつけてみた。

しばらく歩くと大通りにでた。ガキは俯いたまま信号も見ずに歩いている。

案の定、赤信号にも拘らずそのまま歩き続けた。

走ってくるトラックに気づいていないようだ。

俺が殺すまでもなかったな・・・