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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
王立騎士学校
199/210

180 演習課題

そうして与えられた課題が、ワイバーンの討伐。脅威度Aランク級の飛行型亜竜種で、かなりの強敵である。


聞いた話によれば、ワイバーンは全身が(あお)く硬い鱗で覆われており、体長は二十メートル前後。大きな翼を持ち、尻尾が短く、首が長いらしい。


獲物を見つけると、三千メートルもの高さから急降下し、自慢の顎で胴体を引き千切るように捕食するそうだ。人間程度なら間違いなく丸飲みだろう。


サチウス先生の言った通り、普通の一回生相手に出す課題ではないね・・・。


ワイバーンの生息域、すなわち巣の在処(ありか)というのは、実は分かっていない。なので本来は、討伐課題にするにはあまり適さない魔物なのだ。


ではなぜこのような課題が出されたのかと言えば


「最近、王都の西側にある丘陵地(きゅうりょうち)で狩りをする姿が頻繁に目撃されている。お前たちはこれを二週間以内に調査・討伐し、素材の一部を提出しなさい」


ということらしい。



――そんなわけで次の日の早朝。


俺たち四人は先生に指示された通り、王都の西門に集合していた。ここで魔法学園チームと合流することになっているのだ。


ジョーが大きなあくびをしながら話し出す。


「ふぁ~あ。どんなんが来るんやろな~」


「・・・ど、どうかな」


「向こうも一回生のトップ二人って話だけど、魔法使いって体力面が心配なのよね。途中でへばられたら困るわ」


ティナの懸念はある意味正しい。ただその理由は、彼ら自身の体力がないということではなく、俺たち騎士候補生と違って()()()()()()()()()使()()()()ことに起因する。


一般的な魔法使いは、自身の身体能力を上げるような魔法は使えないため、移動は基本的に馬。風魔法を使った加速で馬を高速で走らせるというのが普通だ。


しかし、馬も生き物。疲れるときは疲れる。今回のような長距離移動の場合はとくに、できるだけ無理をさせないようにしたほうがいいだろう。途中で使い物にならなくなると俺たちも困るから・・・。


「その辺も含めて “ 課題 ” なんだろうね。騎士団に入れば、魔法使いと一緒に遠征するのも普通らしいし。向こうも成績上位者ということは、戦闘のほうは問題ないだろうから、そこに期待するとしよう」


魔法学園での成績がどのように決められるのかは知らないが、おそらく二つの要素が成績に絡んでくるのは間違いないだろう。一つは魔力量。もう一つは苦手属性の少なさだ。


強力な魔法をたくさん使える人材ほど優秀だというのも、この間アンヌさんにも教えてもらったしね。きっと相当な使い手であるはずだ。


と、そんな話をしているところへ、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「・・・いさまぁ~!!」


「ん?」


そして次の瞬間。


「グフッ!?」


俺のお腹に既視感のある衝撃と痛みが走った。


「お兄様ぁあああ!!」


「エリー?!」


勢いよく俺の胸に飛び込んできたのは、金髪の美少女。魔法学園に通う我が妹エリスであった。

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