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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
王立騎士学校
154/210

140 検証結果

休日や放課後の時間を使って色々と試してみたところ、いくつか分かったことがある。まず、剣を持たせると人格が変わるのは当然として、他の武器ではどうかということ。


結果は


「・・・・・?」


コテンと首を傾げるロザリー。その姿は可愛らしい女の子そのもの。全く人格は変化しなかった。ロザリーは自分が使いこなせる武器、すなわち剣を持った時のみ攻撃的になるらしい。


ただし、大剣は苦手でレイピアのような細長い剣が得意。振りまわすよりも刺突による攻撃がメインの戦闘スタイルということだ。なお、剣であればなんでも変身可能。


次に前髪をおろしたまま剣を持たせてみる。


「キヒッ! 今度こそテメェを()ってやるぜッ!!」


三日月型に歪んだ口元だけがくっきりと見えてしまって怖さが倍増。真夜中に現れたら確実に逃げるやつだ。


普段強気なティナですらちょっと怖がっていたくらい。いやあの反応は、もしかしたら幽霊(ホラー)的なものが苦手なのかもしれない。そういうことにしておこう。


それから、興味深いことがもう一つ。


ロザリーは人格が変わると同時に身体強化魔法を無意識に発動しているようだ。ただ、身体強化によって人格変化が起きているわけではないので、剣を持たせなければああはならないみたい。


「それじゃあ今日は、俺と徹底的に打ち合ってみよう。ロザリーが限界まで疲れたらどうなるか。これを確かめるんだ」


「・・・う、うん」


休日朝から夕方まで。俺たちはひたすら休まず剣を振り続けた。


するとどうだろう。


「はぁはぁ。て、テメェやるじゃねぇか・・・この借りはゼッテェー返す。覚えてろっ!」


肩で荒く息をするロザリーはそれだけ言うと剣を下げたのだ。


そしてそのまま地面にへたり込む。


「ロザリー?」


「・・・・・あ、の」


駆け寄ると、そこには正気を取り戻したロザリーが座っていた。これを見たティナが両手を握って笑顔で言ってくる。


「ねぇジェフ。これって!」


「うん。いちおう正気には戻っているみたいだね」


「やったじゃない! これなら」


しかしその顔はみるみる曇っていった。


「って無理よね・・・」


「うん・・・」


これじゃあ疲労しすぎて剣が振れない。本当にただ握っているだけという状態なのだ。残念ながら全く解決になっていない。


う~む。やっぱり難しいな。どうしたらいいんだ。そもそも、あの威圧感全開の彼女は一体なにを望んでいるのだろう。なんで剣を持ったときにだけ現れる? 口汚く高圧的になるのはどうしてだ?


その答えを知っているのは・・・。


「本人だけだよね」


「「?」」


ポツリと零した俺の言葉に二人がそろって首を傾げた。


うん可愛い。可愛いけれど今は無視だ。


グッと堪えた俺を内心で褒めたたえつつ、思考を続けて次の方針を決める。


やっぱりここは、本人とぶつかって聞いてみるしかないだろう。そして彼女の本心を引っ張り出すんだ!

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