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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
王立騎士学校
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134 幸薄さんはハゲますか?

Aクラスの担任は、見覚えのある薄毛の頭とやつれた顔が特徴的なあの人だった。


「今日からお前たちの担当教諭となるサチウス・ゲハルだ。よろしく頼む」


「「「ブフッ!」」」


何人かの生徒が先生の名前を聞いて吹き出す。


と同時に、目にも留まらぬ速さで彼らの机に短剣が突き刺さった。


「「「ひぃっ!?」」」


「そうそう。それから念のため忠告しておこう。私はつまらないギャグが大嫌いだ。ふざけた輩にはチョークの代わりに短剣が飛んでいくので気をつけるように」


サチウス先生は見かけによらず恐ろしい人のようだ。ずいぶんと手慣れた様子で、腰から抜いた複数の短剣を同時に放っていた。


動作に無駄がなくコントロールも正確。剣術だけでなく投擲(とうてき)術もマスターしているらしい。さすがはAクラスの担任だな。


そこからはクラス内での自己紹介をして今後の話。


「お前たちにはこの一年で【属性付与】を覚えてもらう。入学時点でAクラスにいるということは、すでに技術および体力については一定の水準に達しているはずだ。そう認識させてもらう。したがって、他クラスのように、授業時間を使ってわざわざ基礎体力作りからはじめるつもりはない。体力不足を自覚している者は自由時間に自主トレーニングを勧める。それでは今後の話をするとしよう」


前説を話し終えたサチウス先生は、続けて詳しい授業内容を語った。


まず基本的な授業は座学、剣術、社交ダンスを含めた礼儀作法。ここまでは予備校でもやっていた内容だ。多少難易度が上がるだろうが問題ないだろう。


そして、【属性付与】を身につけるうえで必要なのが魔法学だ。


魔法学では、魔法の基礎知識や魔道具の仕組みはもちろん、自分の得意な属性を知るための適性検査、それに合わせた各属性付与のやり方などを教わるらしい。


俺の場合、実戦的な魔法を少しだけかじっているため、魔法にも色々な属性があることは実感として知ってはいる。


でも、本格的に魔法を学ぶのはこれが初めてのことだからなぁ。なんだかんだ言ってワクワクが止まらん!


ちなみに、身体強化や回復魔法はいわゆる “ 無属性魔法 ” に分類されるものなんだって。


まあ、魔力を体内で循環させられるようになれば、比較的簡単に習得できる魔法だもんな。極めるのは難しいけれど・・・。


それから、ここはやっぱり騎士学校。実戦訓練が豊富に行われるようだ。


以前に聞いた校内順位戦や魔法学園との合同演習のほか、数人グループで行う魔物討伐や治安維持活動などにも参加していくという。


「とまあ、お前たちには色々と学ぶべきことがある。己の意見を通したければ力をつけろ。そして力つけるためには知識が必要になる。ならば必然、座学も疎かにはできまい。このことを肝に銘じ、この一年、いや、五年の学生生活を有意義に送りなさい」


こうして俺の騎士学校生活がはじまった。

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