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【第2章完結】光一くんのピアスはプライスレス【第3章執筆中】  作者: 御乙季美津
第1章 光一くんの初体験はプライスレス
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光一君が臨む初めての捜査会議 その5(これで終わり)

今回も何とか1週間で投稿することができました。

時間があればプロローグから読んで頂ければ幸いです。

よろしくお願いします。

「よし!」


 考え込みだしてから間もなくして、何かを決めた様子の中原が口を開いた。会議室の空気が再び張りつめたのを光一は感じ取った。


「古賀君が提供してくれた情報によって、二宮紫帆が被疑者である可能性は極めて高くなったが、共犯者という新しい情報も提供された。我々は二宮紫帆を被疑者として検挙しつつ、それと同時に共犯者の身元と本件にどれだけ関与したのか突き止めなければならないが、共犯者に最短で辿り着くために必要な情報を持っているのは福岡県警の大川中央署である。よって、我々としては福岡県警と合同で本件の捜査を進めるべきと考えている」


 中原の言葉に、全員が無言で頷いた。


「そこで古賀君に1つ確認だが、福岡県警と合同で捜査を行う際に配慮すべきことはあるだろうか? 我々としては、古賀君を通して福岡県警が持っている情報を提供してもらったわけだから、何らかの配慮をすべきと思っている」

「えっと、そうですね……」


 中原に尋ねられた貴格は、数秒ほど考えるような表情を見せた後、

「死体遺棄の部分については、大川中央署の実績としていただきたいというところでしょうか」

 この言葉を皮切りに事細かに事情を説明し始めた。特に、船着き場で採取した足跡や防犯カメラの映像を福岡県警が鑑定または検証したから死体遺棄の認知に繋がる情報を得ることができたということや、口約束であっても大川中央署の刑事一課長に死体遺棄事件の取り扱いを一任しているということを話の中心に据えてである。


「なるほど。そういう事情があるのか」


 貴格の説明を受けて、中原は数回頷いた後、再び何かを決めた様子で話し始めた。


「分かった。古賀君が懸念していることについては配慮をするようにしよう。まぁ確かに、死体遺棄については福岡県内で発生しているわけだから、今後のことを考えると、我々が踏み込み過ぎて福岡県警の実績を奪うようなことをすべきではないな。よし! 我々は主に殺人の真相解明に全力を尽くす。共犯者については、加担した度合いを見ながら、佐賀県警と福岡県警のお互いの功績が最大値になる着地点を目指していくことにしよう」


 貴格が説明をしている間、「そこまで配慮する必要性があるのか?」と首を傾げている警察官が数名いたけれど、貴格の説明を基にした中原の方針には素直に従うようで、周囲と同じように頷いていた。


「それでは、福岡県警との合同捜査の件については、わたしから刑事統括課長に事情を説明した後、刑事統括課の担当係を通じて福岡県警の主管課に要請する」


 ここで出てきた「刑事統括課」というのは、警察本部の刑事部において最もトップに位置する課であり、主に県下の全警察署の刑事課をまとめたり、その他には刑事警察に関する物事の企画・立案や他県との調整を行ったりしている。ちなみに、刑事統括課長は佐賀県警の刑事のトップである刑事部長に最も近い立場の人物である。


「今井課長は、その要請を行う時に必要な説明資料を、この捜査会議が終わった後にわたしに送ってくれ。もちろん、タイムテーブルの解析結果も併せてよろしく」

「はい、分かりました」

「ここにいる捜査員については、今後の捜査の割り振りを行うまで自所属で待機とする。これで今回の捜査会議を終了とする」


「気を付け!」


 中原が捜査会議の終了を告げてからすぐに、今井の声が会議室に響いた。慌ただしく動く椅子の音と共に全員が席を立った。


「敬礼!」


 今井の号令で全員が礼をし終えると全員が起立している中、会議室の前の席に座っていた本庄南署長と思われる制服姿の警察官が、中原を連れて会議室を出て行った。


「休め」


 2人が会議室から退出したのを確認したところで、緊張感を緩めた様子の今井が笑顔を見せながら号令をかけた。それと同時に会議室の空気は緩み、全員がリラックスした状態になったようだった。


 警察官たちが席に着いた後、今井が貴格に声をかけた。


「捜査会議お疲れ様でした。ところで、古賀君。何か我々に要望はあるかい?」

「要望ですか?」

「そう。何かこれをしたら事件解決にもう一歩踏み込めるんじゃないか、とかそういう考えがあれば、うちの若い連中にやってもらおうと思うけど」

「そうですね。先程の説明でだいたいのことはお伝えしたのですが……」


 今井に尋ねられた貴格は、難しい表情を浮かべながら首を傾げた。そして、しばらく考えた所で、

「今は無いですね」

 と一言だけ答えた。


「星野さんはどうだろうか?」

「そうですね……」


 今井に尋ねられた光一は思考回路をフル回転させようとした。と、その時のことだった。


(ん?)


 光一の脳内にある思考回路からだいぶ外れた場所で、真っ赤な炎がカメラのフラッシュのように一瞬だけ灯ったような気配を光一は感じた。


(何だ?)


 ただ、その正体が何か分からない光一はそれをスルーして、

「無いと思います」

 しばらく考えた後に、貴格と同じような答えを今井に伝えた。


「そうか。今日の捜査会議は終わったから2人とも帰ると思うけれど、もし何か思いつくことがあれば連絡を頼むよ」

「はい。分かりました。それでは今日はこれで引き上げたいと思います」

「よし。それじゃ玄関まで送るよ」


 そう言うと、今井は会議室の出入り口に向かって一足先に歩き出した。貴格と光一は、会議室にいる警察官たちに向かって軽く頭を下げてからその後を追った。会議室を出る寸前、光一の視界に偶然入った壁掛け時計は、既に11時過ぎを指していた。


 会議室を出た3人は、そのまま階段を下りて真っすぐ本庄南署の玄関へとやって来た。


「今日は本当に助かったよ。さっきも言ったけれど、古賀君のおかげで十分な成果があったからね。古賀君の参加を要請して本当に良かったよ」


 本庄南署を背に、今井は笑顔で貴格に感謝の言葉を伝えた。


「そう言ってもらえると参加して良かったと思えます。また何かあった時には連絡をしてください」

「分かった。それでは帰りは交通安全で」

「了解です。お疲れ様でした」


 今井に挨拶をし終えた後、貴格と光一は軽く頭を下げた。そして、防犯部の事務所に戻るべく公用車である黒色のSUVへ乗り込むと、貴格の運転で本庄南署を出発した。

今回は捜査会議が終わるまでの過程を書いているので、いつもより文の量は少なめです。

今年中に終わらせることができるように頑張ります!!


感想やブックマーク、評価ををしていただければとても励みになります。

次の投稿は1週間後から10日後を目途に計画しております。

今後ともよろしくお願いします。


次回をお楽しみに!!

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