黒い星
20歳になったら死のうと思っていた。
大した理由なんてない。
生きていても面白くもなんともないじゃないか。
幼稚園に入った頃から自分の顔が嫌いだった。
なんでこんな醜いに顔に生まれてきたのだろう。鏡を見るたびに自己嫌悪を抱いて左胸が微かに苦しくなった。
幼稚園の頃の将来の夢は、タクシーの運転手だった。運転してるだけで、楽そうだとうのが理由だった。
小学生になっても、頭が良いわけでも、身体的に優れているわけでもなく、可でも不可でもなく、通信簿はいつも2か3だった。
その頃は自宅の近所に友達らしき者もいた。だが、今考えると、自分のわがままだったのか、口喧嘩になり、それ以来自宅に引きこもるようになった。確か小学4年生の頃だった。
父親が週刊誌少年マンガ雑誌をよく買ってきたので、自分もよく読んでいた。少年サンデー、少年ジャンプ、その他のマンガ雑誌をよく読んだ。それが唯一の楽しみだった。
父親は、少年マンガ雑誌だけを買ってはいなかった。
ある日、父親と母親の寝室のタンスの上に隠されていた雑誌を見つけた。週刊プレイボーイや平凡パンチ、エロトピアやデカメロンなどの所謂成人雑誌だった。
グラビアの女や猥褻なマンガを見たら自然と勃起し、布団にまだ幼い陰茎を擦り付けてオナニーを覚えた。