変われない私
初投稿です!
前書きの挿入の仕方がわからなくてここに書きました。
改行など、読みにくいところはあるかもしれませんが、読んでいただけたら嬉しいです!
私は長い下り坂を全速力で駈け降りる。家を出てから走り続けているせいで、心臓は大きな音をたて、悲鳴を上げている。どんなに走っても間に合わないと分かっている。でも、走りたいのだ。
駅に着くと友達が立っていた。笑顔で手を振っている。
「こんなに遅れてごめんね。」
第一声がこれとは何とも情け無い。
「寝坊して、今来たばかりだから大丈夫。」
両手をポケットに入れ明るい笑顔で、こんな言葉が返ってきた。
約束の時間を30分も過ぎているせいで、優しい嘘が私の心に刺さる。
一週間前、幼稚園からの幼馴染から一件のメールが届いた。
「久しぶりに会って話がしたいんだ。一週間後にいつもの駅前に来てくれないかな?」
ドキドキした。中学校までずっと一緒だったのに、高校で離れてしまった幼馴染。
同じくらいだった背はどれくらいになっているだろう。言い出せなかったあの想いは言えるのだろうか。そんなことを考えていたら一週間はいつもよりとても長く感じた。
友達と会うのは明日なのに、寝付けず、中学の卒業アルバムをめくる。
私は隣にいる友達を見る。二年前と変わらないガラスのように透き通る瞳、桃のように淡い色の頬。背は私をはるかに越していて、頭一つ分は違うだろうか。
「顔に何かついてる?」
目を見開くようにまじまじと見つめていた私は突然の言葉に驚く。
「…。え?別に…」
咄嗟に出た変な言葉に、顔が赤くなる。
「お前、二年前と何も変わらないんだな。なんか安心したよ。」
他愛もない思い出話しに花を咲かせながら、二人並んで歩いた。
空にはキラキラ輝く太陽と、雲ひとつない青空が広がり、二人を温かく包んでいた。
End.