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アイネイアスの武器造り(前編)

登場人物紹介


・アフロディーテ

 言わずと知れた美の女神

 またの名を年増の年中発情女


・ヘパイストス

 ゲームでお馴染み炎と鍛冶の神様

 ゼウスとヘラの実子

 足が不自由でブサイク

 ……でも、アフロディーテの旦那様。

 ギリシャ神話きっての幸薄男


・アレス

 軍神でアテネと丸被りでよく揉める。

 アフロディーテの愛人さん


・アンキセウス

 ゼウスの策略でアフロディーテが恋する牧人


・アイネイアス

 アフロディーテとアンキセウスの子供

 トロイア戦争で英雄として名を馳せる


・エロス

 見た目は天使の子供

 中身はジジィ

 人に恋をさせる金の矢と別れさせる鉛の矢を持つ



~~~では、始まり始まり。


 ここはオリンポス神殿にある夫婦のお屋敷。


 家主さんはーーはいっ、ギリシャ神話きってのプレイガールことアフロディーテさんのお家です。


 えっ?アフロディーテって旦那さんいるの?って思ったそこの読者様、いるんですよぉ~。


 し、か、も…。


 あのゼウスとヘラの実子なんですよぉ-。


 まぁ、この結婚に関して策略というか無理矢理というか…機会があれば書きたいと思いますね。


 それは置いておいて、その実子のお名前はヘパイストスさん。炎と鍛冶の神様です。


 ちなみにギリシャ神話きっての幸薄男です。


 なにせ、ヘラ姉さんってば生んだ瞬間「ぶっさいくだぁ~!」って叫んでオリンポス山から放り投げたそうですから…。


 まぁ、その後は海の女神テティスに拾われて


「…ぶさいくね。せめて手に職を付けておけば何とかなるから、大丈夫、教えるから、ブサイクでも、うん、大丈夫…ブサイクだけど」


 ブサイク連発しながらも健気に育て上げて炎と鍛冶スキルMAXでオリンポス神殿に帰ってきて有名な武具をいっぱい作った神様です。


 あぁ、因みにゼウスとヘラの喧嘩を仲裁しようとして再びオリンポス山から放り投げられたことが御座います……。


 不憫な神様なんです。


 それは置いておいてーー。


 カンカンカン、ボォーボォー、カンカンカン。


 まぁ、鍛冶屋さんですから何時ものようにヘパイストスさんは工房で武具を作成しておりました。


「…あぁ、炎は良いな…裏切らないから」


 炉の炎を眺めながら呟くヘパイストスさん。


 うん?大丈夫?目が逝っちゃってるよ…。


「……聞いてくれるか?」


 虚ろな瞳で語りかけないで…聞いてあげるから。


「…また、妻が浮気した」


 ……………あぁ、なにも言えない。


「しかも俺の身内と…はははっ」


 渇いた笑い声で自嘲気味に……し、しょうがないんじゃない?だって、アンタの奧さん節操ないんだし…ってか、よく夫婦になろうって思ったよね?


「顔が好み」


 キリッとした表情ではっきりとーー。


 はい、面食い発言ですねぇ。


 ってか、やっぱりゼウスの子ですね。


 まぁ、しょうがない。


 んで、誰と浮気してたの?


「…アレス」


 あぁ、そりゃあ……。


 ボソリと呟きながら忌々しげな表情を浮かべるヘパイストスさん。


 この人、アテネ親衛隊だからですね。


 だって好きすぎて自分でアテネとの子供を自作しちゃうぐらいですから……詳しく書くと、大人の世界ってか変態の世界へようこそ!ってなるので書けませんがね。


 興味のある方は自己責任で……。


 というわけで悶々としながら鍛冶を続けるヘパイストスさん。そんな彼の心中を察してか、とある方が訊ねて参りました。


「チョリ~ッす!へパ坊、元気かぁ~?父ちゃんが遊びに来てやったぜぇ~。なんだ!元気ねぇ~な。俺の息子だろぉ~。俺の息子は元気だぜぇ~」


 ノリノリのゼウスさん登場です。


 ちょい悪親父を通り越して何気に流行に敏感なセクハラ親父、うざっ、ちょ~うざっ。


もうね、家を飛び出してグレるレベルですわ。


 でも、流石は息子…。


「何しに来たの?」


 通常営業のヘパイストスさん。


 あ、あれ?流石は息子さん、冷静ですね。


 そんな、平常運転のヘパイストスさんをつまらなそうに一瞥して周囲をキョロキョロ見渡すゼウスさんってば…あんた、まさか?


「アフロディーテいる?」


 おい、こら、まて…息子の嫁だぞ?


 節操なさ過ぎでしょ?


 チラリとゼウスさんに視線を向けて興味なさげにヘパイストスさんはボソリと呟きました。


「あぁ、いま絶賛浮気中…アレスと」


 ピキッ。


 あれ、何かいま変な音が聞こえましたよ。


「…いま、なんて言った?」


 ゼウスさんの声がワントーン下がりました。


 表情もかなり険しい感じです。


 青筋を浮きだたせピキピキッて鳴らしてます。


 その声のトーンとその表情を維持できれば、みんな主神って敬えるのにね。


「うん?だからアレスと嫁さん(アフロディーテ)が浮気してるって言ったんだけど?」


 当たり前のように言ってますがヘパイストスさんの顔はゼウスさんよりも険しいです。


「あんのぉ、糞ガキ。俺の女を…」


 ちょいまち、ゼウスさん?


「なに?俺いまスゴく機嫌が悪いんだけど?」


 えっ、いや、あなた今なんておっしゃいました?


 あれ?聞き違いかな……俺の女って?


「うん?言ったよ。俺の女だもん」


 だもん…ってあんたはヘラ姉さんか!


「…しょうがないだろ、主神なんだから」


 ヘパイストスさん、そんな諦めた口調で諭してくるの止めてくれない?………うぅ、不憫だねぇ。


 ってなわけでゼウスさんお怒りです。


 ところでーー。


 みなさんは前回のお話を憶えてますか?


 ゼウスさんって娘のアテネにはチョ~が付くぐらい甘々なパパさんなんです。


 そして、アレスはアテネと種属的に被ってますから仲がひじょ~に悪いんですね。


 つまりは…ゼウスさんってばアレスは嫌いです。


 そのアレスがアフロディーテさんといちゃこらしてる…はいっ、一悶着が起きる予感しか想像できませんねぇ。


「…別れさせよう。俺の権力を全てを使って」


 決意を秘めた瞳で遠くを見つめるゼウスさん。


 あんたが権力を使う場所、違うでしょ……。


 ってなわけで、ゼウスさんってばありとあらゆる手を使って別れさせようとします……が、アフロディーテさんとアレスの間には既に複数人の子供が!?


「あっらぁ~ゼウスちゃん来てたのねぇ~」


 幼い女神や精霊引き連れて満面の笑みを浮かべるアフロディーテさんが入ってきました。


「…どしたの、その子達?」


 ヘパイストスさんが引き攣った表情で訊ねると…まあ、あれですよ、予想通りで御座いますよ。


「うん?アレスとの愛の結晶?」


 何故に疑問系なんですか?


「う~ん、もしかしたら違う人の子もいるかもしれないからぁ~、一概に言えないのよぉ~」


 しかも、アフロディーテさんってば容赦なく家に連れてきます

「…まじか?どんだけ子沢山なんだ…」


 ちょっとドン引きのゼウスさんを横目に上目遣いにウルウル瞳のアフロディーテさん登場です。


「だってぇ~、アレっち(アレス)ってば寝かせてくれないんだからぁ~しょうがないじゃない~」


 流石はアフロディーテさん…お盛んです。


 げんなりとしたゼウス親子を尻目にアフロディーテさん、スマホを取り出し誰かに電話をかけました。


「アレっち~、ご飯に行きましょう~。えっ、子供?だいじょう~ぶよぉ。旦那がいるからぁ~。はぁ~い、あとでねぇ」


 旦那と旦那の親の前で愛人に電話……流石です。もうね、その潔さあっぱれで逆に清々しいです。


「じゃあ~ねぇ」


 笑顔を振りまきながら子供を二人に預けて出て行くアフロディーテさんをポカァ~ンとした表情で見送る二人。


「ま、まぁ……いや、許されん。別れさせる」


 徐にスマホを取り出したゼウスさん。


 とある人物に連絡を取ります。


「あっ、エロスさんですか?お久しぶりです。あのぅ、ぶしつけなお願いなんですが、はい、はい、ではお待ちしておりますので、では失礼いたします」


 えっ?敬語?ゼウスさんが?


 あっ、電話越しで頭を下げながら何時もよりワントーン高い声でお話ししてますね。


 まぁ、当然ですね……。


 どう言う事?……って思われた読者さん、実はねエロスって神様は原初の神様なんです。


 皆さまのイメージですと、あの某3分クッ○ングのキャラクターに羽が生えてハート型の弓矢を持ってる姿が浮かぶと思いますが……実際はジジィです。ゼウスより年上で偉い神様です。


 なにせ、エロスが神々を生み出したとまで言われておりますから。ゼウスですら頭が上がりません。


 ですが、今のエロスが何をやってるかと言いますと……アフロディーテさんの従者をやっています。


 だって、エロじじぃだものーー。


 見た目は無垢な天使、中身はエロじじぃ。


 救いようがないですねぇ。


 そんなエロスさん、主の(アフロディーテさん)目を盗んでゼウスさんに会いに来るわけですが……いいのかな、この二人が組むと碌な事が起きない予感しかしないんだけど。


 ガチャリ。


「来てやったぞ」


 可愛らしいハイトーンボイスのエロスさん。


 見た目も天使の姿ーーだけど、ジジィ。


 これって犯罪じゃない?


「うっさい、解説者!見た目に騙されるのが悪い。中身はじじぃでも身体は若いわい」


 ちっちゃな身体でエロい目つきのエロスさん。


「お待ちしておりました!」


 ゼウスさんってば嫁さんにも見せたことない満面の笑顔で両手を擦り合わせながら低姿勢でエロスさんを迎えます。


「っで、わしを呼んだのは何故じゃ?」


 パタパタと小さい羽で浮き上がりゼウスさんと目線を合わせます。


「実はですね…アレスとアフロディーテを別れ「断るっ!ってか無理…」えっ……?」


 ゼウスさんの相談を一刀両断するエロスさん。


「わし、アフロディーテに嫌われたくない」


「何故に……」


「絶世の美女だから!」


 キリッとした表情を浮かべます。


 うん、間違いなく神々の生みの親ですわ。


「…ちなみに報酬は巷で絶世の美女と名高いブシュケとの合コン「やる、別れさせる」(ニヤッ)ありがとうございます」


 先程と同じキリッとした表情を浮かべ直したエロスさんってばやる気です。なにせ、鉛の矢と金の矢を弓に取り付け始めましたから……。


 鉛の矢は相手に嫌悪感を抱かせます。


 金の矢は相手に恋をさせます。


 エロスさんの別名【キューピッド】ですから。


 うんで、何気にエロスさんは策略家です。


(…アフロディーテの従者はやめたくない。けど、ブシュケちゃんとの合コンもしたい……よし、こいつ(ゼウス)バカだから騙そう)


 さてさて、どうなることやら……。


 次回に続く


読んでいただきありがとうございます

(o_ _)o


えっ?登場人物にゼウスの紹介がない?

良いんですよ、彼は…。

ちなみに他の登場人物が…いいんですよ。

だから、前編にしたんですから(笑)

※本来のギリシャ神話ではエロスは関与しておりません。ゼウス一人でやってますが…ほら、神話だから。ちょ~と脚色をね。

だって、良いキャラでしょ?エロスって(笑)

もうね、ストレス発散で書いてますから。


ではでは、失礼いたします

(o_ _)o

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