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パリスの審判前編~だって、男の子ですから…~

読んでいただきありがとうございます

(o_ _)o

意外と好評で驚いております

皆さんはトロイア戦争をご存知ですか?

神々が真っ二つに割れた人間にとって

大迷惑な戦争です


このきっかけが何だか知ってますか?

今回はそんなお話です

では、お楽しみください

(o_ _)o

※誤字、脱字を訂正しました


登場人物紹介


・パリス

 王子なのに捨てられて羊飼いの子として生きる

 三女神に言い寄られ男の子らしい選択をします

 ギリシャ神話の男はもれなく女好き


・ヘラ

 言わずと知れたゼウスの正妻

 ゼウスの実の姉だったりします

 今回は意外なことに脇役です

 気っぷの良いお姉さん

 猟奇的ですけどね


・アテネ

 某有名少年漫画で有名な女神

 漫画とは違い意外と好き嫌い激しいです

 因みにゼウスの最初の奧さんの娘


・アフロディーテ

 あの有名な絵の美の女神

 誕生の仕方が実は猟奇的です

 お高くとまったお嬢さんです

 ヘラとアテネの叔母ちゃんにあたります


・エリス

 争いの女神様

 ぼっちな子です

 結婚式に呼ばれなかったので

 腹を立てて三人を仲違いに

 しようとして大惨事になります




~~~~~パリスの審判編


 カラ~ン、コラ~ン。


 教会の鐘と共に新郎新婦が入場して参りました。


 ここはとある結婚式場ーー。


 ギリシャ神話で教会?おかしくないって思った貴方!勘弁してください…話が進みません。


 まっ、それは置いといてーー。


 誰の結婚式かと言いますと女神テティスと人間ペレウスの異種間結婚です。結婚式と言えばぁ~?


 はいっ!そこの貴方、大正解です。


 ヘラ姉さんで御座います。


 ばか(ゼウス)の浮気相手と子供にはめっぽう厳しい割に本邸に住んでる十二神の内、三分の一がばか(ゼウス)の子である事実を受け入れてる…なんでしょう、この男前な姉さんは…。


 まあ、とりあえずヘラ姉さんは結婚の女神様でもあります…たとえ、ばか(ゼウス)バカの兄ちゃん(ポセイドン)が愛人にしようとした新婦であっても結婚自体には寛容なんですね~。


 そんなヘラ姉さん列伝はいずれまたーー。


 今回は結婚式場での一悶着、皆さんの中でけっこう仲が良かったのに結婚式に呼ばれなかった人いません?呼ばれなかった貴方はどうします?


 神様の場合は嫌がらせするんです。


「……わたし、呼ばれてない」


 少し目つきの悪い女神様が楽しそうな結婚式場の隅から血の涙を流しながら覗いています。


「…あのぅ、すいません。他のお客様の迷惑になりますので、出て行ってもらえませんかね?」


 式場スタッフがビクビクしながら声をかける。


「あぁ~ん、私を誰だと思ってんのよ?」


 そんなスタッフに巻き舌で啖呵を切る女神様、いや、貴女の服装が…ヤバいですから。


 白いはちまきに喧嘩上等、白い特効服には唯我独尊、あれですね昭和のレディースです…因みに金髪は染めてません、地毛です。


 紹介が遅れましたね、この女神様は争いの女神エリスちゃん……一生反抗期のお嬢ちゃんです。


 晴れの結婚式に呼べないですよねぇ。酒飲んだら空気読まずに張っちゃけて怒られるタイプの子だし…。


「おぃ、こらぁ!そこの解説者!ちゃん付けやめろ……照れるだろうがよぉ……」


 そこですか……意外と可愛いですね。


 何はともあれ、呼ばれなかったエリスちゃんとは対照的にゼウスさん関連の人達はお呼ばれされたみたいで…まぁ、腐っても全能神ですからね。


 ただ、本人は来ませんと言うかこれません。結婚式はヘラ姉さんの独壇場ですから…来てもナンパできませんしね。


 と言うわけでヘラ姉さんは代理のアテネさんと美しいもの大好きギリシャ神話の叶○妹の姉の方にそっくりなアフロディーテさんを連れて来ております……が、意外とこの三人、仲悪いです。


「ヘラ母さん、父さんは浮気中?」


 いきなり爆弾投下のアテネさん。


「あのバカがきたら面倒なことになるでしょ?下手したらあんたら襲われるわよ……はぁ」


 青筋立ててイライラしながら深~い溜息を漏らすヘラ姉さん。


「あっらぁ~、大変ねぇ~。私もぉ~モテすぎちゃってぇ~断るの大変なのぉ~」


 間延びした声で自慢するアフロディーテさんに二人はイラッとしたようで……。


「「黙れ!この年増の年中発情女」」


 何故か、息がぴったりの二人。


 アテネさんとヘラ姉さんは性格が似てますからね…アフロディーテさんみたいな人、大っ嫌いですから。しかも、この中で一番の年長者は意外にアフロディーテさんだったり致します。


 不穏な空気漂うテーブルに周囲は心なしかテーブルが離れておいでです。


 特に新郎側は人間ですから結婚式なんて二の次で参加したのを後悔しておりました。


「……もう、おうち帰りたい」


 各国の王様が涙目です。


 神と人が共存する世界って大変ですね。


 そんなテーブルを見つけた争いの女神エリスちゃん、何故か瞳が爛々と輝いております。


「だから…ちゃん付けで呼ぶな!」


 まだ、そこ気にしてるんですね……。


「まぁ、いいや。えっ?なに?あれって抗争、どこのチーム?もしかして荒れる、荒れちゃう?うんっ?……アテネがいる」


 不穏な空気に嬉しそうにしていたエリスちゃんの表情が一気に曇ります。


 まぁ、争いの女神ですからねってか、エリスちゃんはアテネさんに気付いちゃいましたね。


 ですよねぇ~。落ち込みますよねぇ~。


 だって二人は微妙に被ってますからねぇ。


 エリスちゃんは『争い』、アテネさんは『戦』何ですけど並べてみると……「…それ以上は言わないで」エリスちゃんってばちょっと涙目です。


 でも、容赦なく突っ込みます。


 エリスちゃんショボ!ショボいよね?


 アテネさんみたいに有名じゃないし、下手したら要らなくねぇ?なんて言われかねないですよね?そりゃあ、結婚式に呼ばれないよね?ってか、これって完全に気を使われてますよね?


「うぅ……」


 涙を瞳いっぱいに溜めております。


 ごめんなさい……言い過ぎました。


「目にもの見せてやる…神話に名前を残すでっかいことしてやる。見てなさいよぉ!」


 あぁ、逆に火を付けちゃいましたね。


 ただ、彼女が出来ることは知れておりますので…何せ『争い』だけですから…ぷぷぷっ。


 どこかのテーブルに一悶着起こすのが関の山です……あれっ?物凄いフリをしちゃったような…。


(司会者)「新婦のご友人からお祝いの品を頂いております。え~っと、少々お待ち下さい(…なぁ、エリスって何の神?)」


 マイクに手を当てて聞こえないようにしてますがしっかりと聞こえておりましてスタッフさんが慌てております。しょうがないですよね…


 マイナー女神の宿命です。


(司会者)「失礼しました。とある女神様からのお届け物で黄金のリンゴとメッセージを預かっております。えっとぉ、『この席上にいる最も美しい者にこのリンゴを与える』だそうです。我こそは、と思う方はご起立ください」


 ザワザワザワザワザワーーー。


 周囲がざわつき始めます…特に新婦側が。


 女神様って基本、自分大好きですからねぇ。


 そんな時です。


 ガタッガタッガタッ。


 自信過剰な三女神が立ち上がりましたよ。


 あぁ、やっぱりかぁ…。


「美しいってぇ~言えばぁ~私でしょう?」


 年増の年中発情女が自信ありげに立ち上がります。まっ、美の女神だから当然ですよね。


「何、言ってんのぉ~?これだから年増は…美と言ったら芸術、私に決まってるでしょ~?それに私、有名人だしぃ~」


 ちょっとアフロディーテさんの口調が気に入ったのか真似しながらアテネさんも立ち上がります。


「…はぁ、あんたらは本当にバカだね。美と言えば結婚、貞節、母性の私でしょう?」


 ヤレヤレと呆れた表情で立ち上がるヘラ姉さん。


 えっ?姉さんも加わるの?


 あぁ、そうでした…負けず嫌いでしたね


「はぁ~?外見の美しさでしょ!」


「芸術に決まってるでしょ!」


「愛だろ!」


 バチバチバチーーー。火花が飛び交います。


 比喩でなく本当に……だって女神だもん。


 はい、もうねスタッフも慣れたものですよ。


(司会者)「新郎側の皆さまはこちらの非常口からお願いいたしまぁ~す。あっ、順番は守ってくださいねぇ~」


 そんなことを言われて守るのは日本人だけ…蜘蛛の子散らすように逃げますよ…。


 ひゅ~~~~~~ってな具合に。


 しかも、便乗して新婦側も逃げちゃいましたね。そりゃあねぇ、巻き込まれたくないですからねぇ。


 そして、三女神だけ残りました。


 ちなみに今日の主役のお二人は……。


 もうね、遠い目をして乾いた笑いを浮かべています。そりゃ、そうですわねぇ。


 誰もいないんだもの。


「………ねぇ、あなた」


「なんだい……」


「幸せな家庭を築きましょうね」


 ニッコリと死んだ瞳で微笑む新婦さん。


「……………………そうだね」


 一抹の不安を抱える新郎でした。


 まぁ、さすがに結婚の女神であるヘラ姉さんもちょっとまずいかなぁ~なんて思っちゃいまして。


「あんた達、場所を変えて仕切り直すよ!」


 ヘラ姉さんが声をかけると年増の年中発情女…もう、名前でなくても分かってしまうな。


「えぇ~めんどくさぁ~い」


 とか言いながら化粧を始めます。


「まっ、どっちでも良いけど……」


 チラリと新郎を見て興味なさげに頷きます。


 因みにアテネさんミーハーです。


 地味な新郎に全く興味御座いません。


 まっ、それは置いておくとして三女神は場所を変えることにしたのですが………その場所は。




ーーーはぁ~い、オリンポス神殿とうちゃ~く。


「………何で、俺の家で揉めてるんだ」


 ちょ~迷惑そうにバカが三人を見ていました。


 美女に囲まれるのは良いですが……ねぇ。


※この物語、バカ=ゼウスさんです。


「お父様ごめんなさい」


 猫被ったアテネさんが汐らしく謝ります。


 鎧を着込んでやる気満々のどこにそんな汐らしさが…実に白々しいとヘラ姉さんと年増の年中発情女がジト目で呆れています。


 …が、バカは騙されます。


「アテネちゃんは悪くないですよぉ~。パパが悪かったぁ~。もう好きなだけ居て良いからねぇー」


 忘れてました。


 このバカ、アテネさんだけには弱いんです。


 もうね、溺愛しております。


 欲しい物は何でも与えてあげてます。


 なんだか違う意味のパパのごとく…。


「っで、バカは置いておくとしてどうすんの?」


「私の美しさに勝るわけぇ~ないでしょ~」


「「じゃかぁしいわ!!」」


 年増の年中発情女の間延びした声に怒り心頭で突っ込む二人、話が全く進みません。


 そんな中でゼウスさんがボソリと一言。


「下界の人間の男に決めてもらえば良くねぇ?天界だと皆、気を使っちゃうしさ」


 その言葉に三女神さん達がぽかぁんとした表情でゼウスさんを見つめてしまいます。


「えっ?なに?俺、おかしな事言った?」


 三人の表情に若干、引き気味のバカです。


 日頃が残念なだけにちょっとまともな発言してもかなり驚かれてしまいます。


「あんた、どうした?」


 マジで心配するヘラ姉さん。


「お父様、また浮気でも隠してるんですか?」


 アテネさんってばそんな爆弾を思い切り落として……そんなに戦をしたいんですか?


「まぁ~名案ねぇ~さすがゼウスちゃんだわぁ~今度、うちに遊びに来てねぇ~」


 なにげに誘惑するこの年中発情女、猛者ですねぇ。ほら、バカの顔が締まりのないデレッと表情をしちゃってるじゃないですかぁ。


 知りませんよ…。


「うちの旦那にちょっかいかけんなや?呪うぞ、この年増の年中発情女が!」


 ほらきた。


 目尻をつり上げるヘラ姉さんにゼウスさんの表情が……あっ、引き締まった。


 ギリシャ彫刻のようにキリッとしましたよ。


「もう、いい加減に下界に行きません?」


 何だかまともなことを言ってますが、アテネさんってば戦略家でもあります。


 しかも、ギリシャ全土で祀られています。


 都市の名前にもなってます。


 俄然、有利なんですよ…顔には出さないけど。


 あっ、でも口元が微かに笑ってますね。


 勝ちを確信している表情です。


「まぁ、しゃあないね…けど、手を出したら子々孫々まで呪ってやるからな」


 やっぱり、嫉妬深いですね。


「私もぉ~若い子が良いからぁ~営業トークだからぁ~呪わないでねぇ~」


 化粧を念入りにしながら準備万端です。



 と言うわけで……すいません。


 登場人物が濃すぎました。


 未だ、パリス出てないです。


 そのため、二部構成とさせていただきます。

 次回予告は後書きに。


次回予告!


下界に降りた三女神、何故かオシャレなカフェで女子会開いてますが内容はしょうもない。


そんな中、たまたま彼女らの前を横切った男の子パリス君、彼女らは彼に目を付け声をかけます。


はたして、パリス君は誰を選ぶのか?

そして彼の運命はいかに?

次回、

『だって男の子だからしょうがないでしょ』

こうご期待……あっ、お手柔らかにお願いします


では、失礼します

(o_ _)o

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