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ファンタジーと言えば飛行船だよね  作者: 竹内 崇
転生〜幼少期編
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No.4

 ケイルと俺が転生者だと判別した日から時が経った。

 半年前後は経っているのでは無いだろうか?

 カレンダーの様な物が有れば良いのだが、この部屋には謎の玩具とベビーベッドしかない。


 だが俺達は進化した。

 伊達に前世を経験した訳では無い。


 何と俺達は自力で立ち上がる事が可能であり、舌足らずでも喋る事が可能なのだ。


 悟りを開いた彼の御仁の様に生まれて直ぐ様立ち上がり、人差し指を天に指し示しながら「天上天下・唯我独尊!」と言いたいところだが、「てんちょうてんえ・ういあおくおん!」が限度だ。


 もう暫くの間はお待ち願いたい。


 そんなこんなで俺達は部屋の中を動き回るのが限界で、未だ外界には飛び出せてはいない。


 そんなある日の事だった。

 いつもの如く、ケイルとダラダラと部屋の中でゴロゴロしていると、母ちゃんとメイドのレイナが部屋にやってきた。


 「ベイルちゃん、ケイルちゃん、今日はお天気も良いし、お外に散歩行きましょうか!」


 何っ!? い、良いのか母ちゃん!?


 思わずガバッと起き上がってケイルと顔を見合わせた。


 母ちゃんは何がそんなに可笑しかったのか、手を口元に当ててクスクスと笑った。


 「嬉しそうねぇ? そんなにもお外に出たかった?」


 そらそうよ! この時をどれだけ待った事か、刑務所じゃ無いんてすぜ? もうちょっと遅かったら脱北するとこだったわ。


 ケイルと俺は両手を挙げ、跳び跳ねて喜んだ。


 母ちゃんは俺、ケイルはメイドのレイナに抱かれて部屋を出る。


 あーそうそう、良い忘れてたがこの家にはメイドさんが居る。

 俺達が立ち歩く様になって暫く経ったある日に、突然と俺達の前に天使が舞い降りた。


 初めはコスプレかと思わずポカーンとなったが、マジもんの本物だと分かった時はテンションが上がったのは言うまでも無い。


 ちなみにケイルは、自身の脳が理解するよりも早く身体が反応し、奇声をあげてレイナに抱きついていた。


 ……それにしても親父殿め、上手くやりおったな。


 部屋を出て長い廊下を抱っこされながら歩いて行く、暖かい陽が射す廊下には、白い石膏の像や絵画等の芸術品が等間隔で列べられていて、明らかに只者では無い家主の格が示されている。


 母ちゃん達の手前、何も知らないかの様に振る舞うが、正直言ってかなりビビる。


 単なる金持ちってレベルじゃねぇぞ!


 俺は一体、何処の子に生まれたんだ?

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