親友
親友
僕には小学生の頃に1人の友達、いや、親友とも言えるべき友がいた。
名前が少し似ていたこともありお互い意気投合、そしてよく遊ぶ仲になった。
彼とは小学1年生の時に同じクラスになり、2年生の時も同じだった。
しかし3年生の時にはとうとうクラスが離れてしまった。
僕は悲しかった。泣きそうになった。でもこんなことで涙を流すわけにはいかない。
クラスは違えども今まで通り遊ぶことはできた。ただ、頻度は下がったが。
他の友達と一緒に遊ぶのも楽しかったが、彼と遊ぶのもそれに劣らず楽しかった。寧ろ彼の家で遊ぶ時間の方が短く感じた。
そんな楽しいな日々を過ごしてきたが、ある日を境に僕と彼の関係性を大きく変える出来事が起きた。
それは僕の転校である。
僕は今までに転校していった人や転入してきた人をたくさん見てきたが、まさか自分がそうなるとは夢にも思わなかった。
小学6年生になってすぐの転校だ。
僕は今まで通い続けた学校で卒業したかったが、中学校までに友達がいないと学校生活が大変という親の配慮で小学校での転入を決めたそうだ。
そして僕は住み慣れた町を離れて、新たな場所で新たな人生を歩み始めた。
新しい学校では少ないが友達はできた。
みんな楽しい人ばかりで僕は人に恵まれているのだろうと思った。
中学校へ入り部活を通してまた新しい友達ができた。
みんなで街に出かけたりカラオケなど小学生ではできなかった遊びを楽しんだ。
先輩もいい人ばかりで申し分ないのない学校生活だった。
しかし、そんな時でも僕は昔の親友のことをまだ覚えていた。
向こうはどう思っているかわからなかったが、少なくとも僕はまだ彼のことを親友だと思っていた。
そう、中学校では友達はできたものの親友はいなかったのだ。
小学生の時にできた初めての親友。
俺たちもう親友でしょ?と言ってくれた僕の親友。
そして高校受験を終え、高校での生活が始まる。
その高校には僕の親友も通うと母から聞いた。
僕は嬉しかった。
また彼と会える、そう思うと早く高校へ行きたいという気持ちでいっぱいだった。
しかし、現実とは非情なものである。
彼は僕と同じ部活に入るらしい。
顧問の先生に入部届けを出す際に彼と再会した。
彼は小学生の時よりも大きくなり、声変わりもしていたが、昔の面影があるのを僕はすぐに気づいた。
容姿は当然変わってしまうが、もう1つ大切なものが変わってしまった。
いや、どちらかというと僕が変わってしまったのだろうか。
それは、お互いの性格である。
成長してきた環境によって変わってしまったのだ。
彼の中学校の友達と僕の中学校の友達とでは遊ぶ内容などが違った。
彼は中学校でできたイケてる友達と外で遊んだりしてきたのだろう、所謂リア充と呼ばれる人間になっていた。
一方僕は中学校に入ってからアニメやネットの話をする友達と遊ぶようになり、所謂オタクと呼ばれる人間になっていた。
実際に彼の友達は僕とは違うオーラを放つ人ばかりであった。
彼自身も僕といるより友達といるほうが楽しそうであった。
当然僕も彼といるより高校でまた新しくできた趣味の合う仲間といるほうが楽しかった。
学校が離れただけで、ほんの数年会わないだけでこんなにも変わってしまうのだろうか。
幸い他の小学校の友達は昔と変わらず接してくれた。
彼だけが変わってしまったのだろうか、いや、僕も変わってしまったのは事実だ。
僕は転校したのは悪いとは思っていない。
寧ろ自分の知らないことをたくさん知れたり出会えてよかった人や作品もあった。
新しい自分を見つけることができただけで転校は成功したものだと思っている。
しかし、その代償に大切な親友を失ってしまったのかもしれない。
何度も言うが僕はこの人生に満足している。
だが、たまに、もし転校していなかったら今と違う自分がいるのだろうか?そんなことを考えてしまう。
僕の人生の分岐点でもある小学6年生の転校。
もしやり直せるのなら、転校しない人生を歩んで見たい。
そして僕はどんな人間になっていたのだろうか、とても興味がある。
しかし現実はもう戻れない。
このままこの人生を突き進むのだ。
転校してよかったと言える人生を歩んでいくのだ。
彼との思い出を胸の奥に閉まって。
音ゲー部がひと段落ついたところで息抜きとして書いてみました。
音ゲー部とは違うオール地の文です。
ただこれじゃあ小説というよりポエムじゃないか?と思われる方もいると思います。
こまけぇことは気にするなb。
この作品は正直続くかどうか分かりません。
私の気まぐれで書いていくつもりです。
このまま終わるかもしれないしまた続きを書くかもしれません。
もし続くのなら、音ゲー部では見せない真面目な、というかシリアスな私を見れるかもしれません。
見れるかもしれませんといっても自分で書いて自分で読んで自分で満足してるだけだと思われますけどね。
こういうセリフは読者のいる人のセリフなので自分がいうのもおこがましいですね。
そんなわけでとりあえずここまでにしておきます。
それではまた次回(あったらいいな)。