第05話 食物連鎖はここにもあるよね
あえてフラグを立ててみたんだが…。
都合よく、へし折れなかったみたいだ。
ここに来て再度、命の危機です。
説明する程もない。
今回も獣だ。熊もどき。体高二メートル程のそれほど大きくもない熊だ。
尾が一メートル以上ある以外は普通だ。
木を登り、下り坂を平気で走って来たが、熊で間違いない。
逃げました。
あれ程走ったのは生まれて初めてかもしれん。
結果。
逃げきれました!!
失ったものは体力くらいか。
荷物を持って逃げていたが、相手の足がそれほどでもなかったのだろうか?
そこそこ走ったのだが、追ってきてはいなかった。…助かった。
一先ず草むらから抜け出し、体に異常がないか確認してから木陰で休憩だ。
アロエもどき(水筒代わり)を齧りながら考える。
猪もどきといい、熊もどきといい今の所襲って来ているのは、脊椎動物・哺乳類っぽい奴らだ。
猪もどきを解体した時確認したが、あれにはきちんと背骨があって、脳・肺・心臓・腸・肝臓があった。
多少姿の違いこそあれ、地球の生物と変わりは無かったのだ。
仮定だが、地球でいうところの生態系も似通ったものかも知れない。
熊もどきが生態系の頂点だとは思わないが、上位の捕食者である事は間違いないと思う。
とすると警戒すベき生物は大型哺乳類、毒を持ったその他生物といったところか。
虎とか遭遇したら正直、数秒で死にそうだ。
すみません。
言った早々に発覚したが、生態系における大型哺乳類の優位性は少し見直しが必要になった。
なぜなら。
俺の100メートル程先で、全長3メートルはあろうかという犬っぽい何かと、こちらも全長3メートルはあろう極太のムカデっぽい何かが、大乱闘を繰広げている。
犬もどきは遠目に見て手足が短かく頭がでかい。ダックスフンドの体に狼の頭(大)といったところか。
ムカデもどきは頭がトンボみたいで胴はそのままムカデ、ただ脚がゲジゲジのようにひょろ長い。
20世紀の映画とかにありそうな絵面ではあるが、実際観ると……うん。 逃げよう。
あれは近寄ってはいけない類のものだ。
そんな訳で、ここは地球より少し大型の捕食者との遭遇率が高いかもしれない。
危険度上がったなぁー。