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元騎士 7      見当たらぬ利点

ジャンさん視点。

後書きに書いてあるのは片岡さん談。

これから時々入れるかもしれません。




「断る」

「ええ!?」



 思わず、何かを考えるより前に拒否の言葉がするりと口から飛び出した。まさか断られるとは思っていなかったのか、ナミネは目を見開いた。その頭は随分と自分に都合の良いように出来ているようだ。

 がたん、と焦げ茶色のテーブルが揺れて、その上に乗るコップに入った水が小さく飛沫を上げた。



「お前が俺に同行を頼んだのはわかる。この御時世、女子供が一人旅をするには少々危険すぎるからな」



 こくこく、と小刻みにナミネが首を縦に振る。横結びにした黒い髪が揺れて少々邪魔そうだ。刈り上げにすれば良いのに。

 脳内でその様をシミュレーションしてみたところ随分と貧相な物体が出来上がってなんだか哀れになったのでこの物体Xの存在は俺の心の中だけに留めておいてやろうと思う。



「だがしかし、だ」



 俺の遠回しな物言いに、まだ俺が何を言いたいのか気付けていないらしいナミネに凄んでみせた。俺の目付きの鋭さはどうやら筋金入りであるようだからナミネの目には俺の姿は大層恐ろしく映っていることだろう。



「其処に、俺の利点はあるのか」

「……あ、」



 ナミネは少しだけ気まずげな顔をして俺の顔から僅かに視線を逸らした。

 反応からして多分、このことについては気付いていただろう。というかさすがに其処まで考えなしな人間がいるとは考えたくない。

 ……いや、ナミネが人間でなければ考えなしでも一向に構わないな。人間ではないのだから。この化け物め。



「今、お前が申し出たことを確認してみよう」



 ぴっと人差し指を立ててみた。ナミネの真ん丸な目玉がその動きを追う。成人しているのだと主張する割には一挙一動に子供らしさが抜けていない。



「俺がお前の頼みを受け入れたとしよう」

「は、はい」



 ナミネが頷いたのを見て続ける。なんだか出来の悪い生徒を指導している気分だ。あまりにも出来が悪ければその内手でも足でもなく槍が出てしまうかもしれない。ちらりと槍に目をやった。いけるな。



「すると、俺は馬鹿みたいに危険がつきまとうお荷物を連れて、城下町の道程を往くわけだ。対して、お前は俺というボディーガードをなんの対価も無しに得て、安全な旅路を往く」

「え、えっと……、」

「もう一度確認しよう。俺は見ず知らずの他人であるお前のために数々の襲い来る敵を薙ぎ倒して城下町へ。対してお前は俺が死闘を繰り広げている間、お前はのほほんと、」

「いやあああ! ごめんなさい! 私が馬鹿なことを言ったのは十分わかりましたからああああ!!」



 飽くまでも確認というスタンスを崩さずに淡々と自身の利点しか考えていないナミネのその浅ましさを責め立ててやると、ナミネは両耳を塞いでしまった。その様子に幾分か腹の中でむかむかとしていた虫が収まった俺は「冗談だ」と言いつつひらひらと手を振った。



「……へ?」



 まだ状況が上手く把握出来ていないらしいナミネが阿呆面を晒している。



「行くあては無いのだと言ったろう。このまま此処に留まっていても何か収穫があるわけでもなし。そもそもあの騒ぎの原因の一端は俺にあるわけだ。それくらいのことで良いなら付き合ってやる」



 そう。よくよくあの時のことを振り返ってみれば最初に騒ぎを起こしたのは俺だ。俺が無知なばかりにあんな騒ぎが起きてしまったのであって、方法は間違っていたもののそれを収めようとしたナミネに罪はない。



「……さて、ガイアントの城下町までだったか。少し距離があるが道中足が痛い等と泣き言を言っても担いでやらんぞ」



 まあ、どうしてもと言うのであれば休憩ぐらいは入れてやらんでもないが。

短いし日本語不自然だし。

ジャンさんは物静かなのは表情だけで頭の中は常に愉快な感じか物騒な感じになってる。

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