第四幕
この第○幕と言うのは人形劇を意識してたりしてなかったり。
第四幕
私は酉京都駅に来ていた。蓮子は、もちろん遅刻している。それを見越して蓮子にはチケットを見せず、実際より15分早い時間を知らせてある。遠くに蓮子の走ってくる姿が見えた。時間は…まぁ、計算の内だからよしとしましょうか。
「お待たせメリー!」
「14分32.62秒の遅刻ね」
「なにも小数まで言わないでも…」
「小数切り上げで書こうか?」
「切り捨ては?」
「無理かな」
私は満面の笑みで蓮子の提案を却下し、「蓮子の遅刻時間ノート」に4/15 14,32.62と書いた。
「あと6分で一回分たまるわよ、蓮子」
「ぅげ、もうたまったの?この前払ったばっかりじゃない」
「この前の48分遅れが響いてるからね」
「ぐぬぬ…」
この「蓮子の遅刻時間ノート」には蓮子が遅刻した時間がかいてある。そして、この時間が1時間に達すると蓮子は一回ランチを奢らなければならない。というルールを作ったのである。遅刻の時間の平均時間は減ってきてるから――まぁ、今回と前回はとても長くて、通算平均は最初の頃に戻ったけど――待ち時間も減って、なおかつたまにランチ代が浮くのだから私には言いことづくし。蓮子は遅刻してるからどうこう言える立場じゃない。
「さっさとホールに向かいましょ」
「今月つらいなぁ」
「自業自得でしょう?」
そんな話をしながらホールに向かった。
開演までは1時間程あるからアリスさんともお話出来るでしょう。
入場まえの一コマ。
ホントたったの一コマですね、はい。
流石に短すぎたか…。