第一幕
今作はちょいと謎を入れてみたり。
ちなみに長めのため例のごとく連載形式で。
第一幕
秘封倶楽部を結成して早くも1年が経とうとしていた。私たちは新しく手に入れた、大いなる不思議を抱えた“部室”に来ていた。
この部室はいくつかの怪現象によって人が寄り付かなくなった廃校舎なんだけど、必ず「本来部室棟があるべきところ」の前でいったん後ろを向かなければならない。
どう言う意味かと言うと、ここには普段一つの石碑が立っている。生徒や教師の間で「呪いの石碑」と言われているものだ。実際は墓石なんだろうけど。
この墓石にはこう書かれている。
「この石碑に触るべからず。
もしこの禁忌、破りし者には、
マヨヒガよりの天罰が下る。
凶兆の黒猫の安らかなる眠りのために。」
ちなみに、この“天罰”は幻想郷にいるとある妖怪による物だと判明している。
藍、と言う妖怪が原因のようだ。それ以外のことはよく解っていない。
なぜならこの石碑をみた蓮子は真っ先に軍手を取り出し、「軍手をしてれば触ったのは私じゃなくて軍手だから、天罰は軍手に行くわよね」とかよく解らない持論のもとこの石碑に触ろうとした。その時その手が触れる寸前に彼女の周囲に無数の結界が現れたのが見えた。同時に私の中に別の誰かが入り込んだのが分かった。
「止めなさい!藍!」
私は――いや、私の中の誰かはそう叫んでいた、らしい。なにせ私は意識を乗っ取られていたので蓮子に聞いた話だから、らしいとしか言いようがないのだけれども。その時の私は双の眼が紫色に輝いていた、とも言っていた。そして私が意識を取り戻した時には若干の涙声で私を揺さぶる蓮子と古ぼけた校舎の様な建物だけが目の前に鎮座していた。
それ以降石碑の前で立ち止まり背を向けて振り向くとこの建物が現れる様になったのである。いや、正確には私たちだけはそうしないと姿を見る事も触ることもかなわない様になってしまった。どうやら他の人には見える様なのだけど。
今日も部室にやってきた私は部室のドアに二通の手紙を見つけた。片方は岡崎研究室から、もう一方は…去年出会った「七瀬アリス」と言う人物からであった。
ちなみに作者はメリー≠紫だけど精神的に関係あるよ派です。