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第2話

庄造(52) 2トントラック運転手170cm中肉中背家族のために一生懸命働くオヤジ

トミー(23)ニュージーランド人バックパッカー185cmこげ茶色の髪に緑眼のオタク眼鏡マッチョ

草原を抜けるとそこは鬱蒼とした森でまだ日が高いというのに薄暗くじめじめしていた。


「なんだか見たこともないような植物やきのこだな。夜になる前に人里に降りたいが、最悪ここで野宿だ。果物とか探しながら歩いて行くぞ。」

「そうですね。食用植物の知識があれば良かったんですが…ん?」


トミーがそう呟いた途端、視界が変わった。目に映る植物、きのこなどの上にそれぞれ「食用可」「不可」と文字が浮かんでいる。

「おぉっ!ファンタジー!に感謝を!」

「お前のテンションは一体どうなってやがんだ…」

「ショーゾー!このメガネをかけて見て下さい!」

「ん?なんだ。普通のメガネじゃねえか。俺は毎日ブルーベリーサプリ飲んでるからまだメガネの世話にはならんぞ」


あれ?ショーゾーにはこの文字が見えていない?これは僕だけの特殊能力のようだ…

他にも何かあるかもしれない。色々試しながら歩いて行こう。


「いえ、何でもありません。ところで僕は食用植物に詳しいので食べれるかどうかの判断は任せて下さい」

「そりゃあ頼もしいぜ!」


しばらく歩くと湖に出た。湖の真ん中には巨大な木が一本生えており、窓やドアが付いている。その窓からは明かりが見えているので中に誰かいるようだ。


「おぉ…なんつーメルヘンな家だ。娘たちが小さい頃こんなおもちゃ持ってたな。ここで電話を借りよう、俺は家族に一刻も早く連絡しねえと…」

「魔女とか住んでいそうな所ですね。なんだかドキドキします」

停泊してあった手漕ぎボートに乗り込むと2人は湖の中心へと向かった。


コンコンコン


「はーい♪いらっしゃーい!」出てきたのは一人の少女だった。白い服を着ている。

「こんにちはお嬢ちゃん。俺たちぁ怪しい者じゃないんだけど、ちょっと電話とかあったら使わせてもらえねぇかな?」

「果たして自分が怪しいと言う怪しい者がいるのでしょうか…?」

「うるせぇっ黙ってろぃ!」


「電話ないよ!でもラーメンあるよ!食べていき!」

「え?ラーメン?」

「なんともこの世界観に似つかわしくないですね…しかしラーメンがあると言う事はこの世界はそれなりに食文化が発達しているようなので料理系で無双は無理のようだ…」

「なんだっていいがちょうど腹減ってたんだ。野草を食わなくてすむぜ!」


しばらくすると実にシンプルな具なしインスタントラーメンが出て来た。

「こ、これはもしかしてワンチャン料理無双狙えるのではないかという程の簡素!

グルメ系漫画で見た日本の料理とはかなり違いますね。」

「るっせーなあ。出されたもんは黙って食え。これが日本の家庭料理なんだよ!」

ずぞぞっと麺をすすりスープを飲めば体がポカポカ温かくなってきた。

「あー久しぶりに食うとうめぇ〜。生き返るようだぜ。最近は高血圧のせいで体に良いもんばっか食わされてたからこのジャンキーさが懐かしい!ありがとなお嬢ちゃん!」

「たしかに疲れた身体に沁みますねぇ。ご馳走様です」


「いいよ!」少女はにこにこ嬉しそうだ。


「ところでここはどこなんだ?街にはどうやって行くか知ってるか?」

「ここは『真ん中の方』。街に行くなら案内するよ!」

「まんなか?聞いた事ない地名だな。地元民の特別な呼び方かなんかか?まあいいや当て所もなく歩くよりよっぽどいい。後で車借りて送り届けてやるから案内頼むよ」

「ほいほーい」


玄関を出て再びボートに乗り込む2人。

「お嬢さん手を貸しますよ」とトミーが差し出す手をすり抜けて少女は高く跳躍しボートへジャンプした。

勢いに押されバランスを崩すボート。


「うおおおおおお落ちるうううううう!!!!」

「何してんだあああああああああ」


3人はそのまま真っ逆さまに水中へーーーーーーー

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