歌姫
海斗は校門近くで魔法を解き校門を通った。
玄関近くでは先生達が集まって何かを喋っていた。
海斗はその先生達の後ろをこっそりと通ろうとした。
「おい!」
「はい!」
海斗はこっそり抜けようとしたが一年の学年主任の先生に見つかってしまった。
「何してんだ?」
「あ、え〜と」
「今は授業中だろ!!」
「なんで外に居るんだ!!」
「ですからその〜」
「先生、彼は従姉妹の子が学校に来てしまってその子達を見送りに行ってたんです」
「でも君もう授業は始まっている」
「些か遅いんじゃないか?」
「すいません」
「従姉妹が心配で結構行ってしまって」
「そうか」
「そうだったんですね」
「じゃあ君、速く教室に戻れ」
「はい!」
海斗は急いで教室に戻ろうとした。
「あ!」
「ちょっと君、待ちなさい」
「はい?」
「ここがこうなっている理由を知らないかい?」
海斗は話しかけてきた先生に手招きされ近づいて行き先生達が囲んでいた場所を見た。
その場所の石で出来た床は不自然な穴が二つ出来ていた。
「あ…」
「何か知っているのか?」
「い、いえいえ知りません」
「それにしてもこんなことあるんですね」
「こんなの私、初めて見ました」
「私もです」
「私も」
先生達は次々と自身もそうであるという旨を言っていた。
「朝はこんな事になっていなかったのに一体」
「あ…すまない呼び止めてしまって行きたまえ」
「はい!」
海斗は次こそ教室へ向かった。
もっと色々考えて魔法使うべきだった。
もっと考えて使っていればあんな事には。
あそこから離れた時、少し聞こえたんだけど。
「一応警察に電話した方がいいんですかね?」
「生徒の………」
警察って単語が出てきてますやん。
う〜〜〜〜。
次からはもっと考えて力を使おう。
いや。
でも結構考えてるよな?
昼休み。
「は〜〜〜〜」
「どうした隼斗?」
「先生達はなんでお前の従姉妹ちゃん達を返しちゃうかな」
「授業体験ってことで授業に参加させてくれればいいのに〜」
「そんなことあるわけないだろ」
「お前、どんだけ光と黄泉のこと好きなんだよ」
「俺普通に子供のこと好きなんだよね」
「今の所、高校卒業したら保育士の専門学校に進学しようと思ってる」