聖剣と魔剣
まだ幼い男の子は母親と一緒に道を歩いていた。
その幼い男の子と母親は声を合わせて歌っていた。
「ロンドン橋 落ちた 落ちた ロンドン橋 落ちた さあどうしましょう」
そのように歌いながら歩いていた親子の反対側を歩く光と黄泉はそれを聞くとお互い目を合わせ親子が見えないところまで行くと光が先程の親子のように「ロンドン橋 落ちた 落ちた ロンドン橋 落ちた さあどうしましょう」っと歌い始め黄泉は光の歌声に合わせてリズムを刻んだ。
海斗は授業中にあることで頭を悩ましていた。
最近、周りの男子からの視線が痛い。
理由は分かっている。
芽衣の過度なスキンシップ。
つい最近に知ったが楓と三春との放課後のことが何故か広まっていた。
おそらくこの二つが原因だろう。
ただ最近男子からだけではなく女子からも強い嫉妬や敵意を込めた視線が来ているような気がするんだが気のせいだろうか?
いや、絶対気のせいじゃない。
だって廊下ですれ違った女子に偶に舌打ちされるもん。
このままだとマジで俺へのいじめが始まるんじゃない?
マジで怖い。
でもこれからは芽衣にいろいろ言って学校では大人しくしてもらえるようにお願いしよう。
多分、家でのスキンシップが更に激しくなるとは思うが学校での危機よりもマシだろう。
楓達とは今のところあの一回だけだから多分大丈夫だろう。
よし!今日家で芽衣にお願いしよ…………
海斗が芽衣にお願いすることを決め、いざ授業に集中しようとした時ガラガラガラっと教室の扉が開けられた。
教室の目が全てその扉を開けた音の方へと向けられた。
教室にいた全員は驚愕した。
なぜかというとそこに立っていたのが高校には相応しくない二人の小さな女の子だったからだ。
高校生達はその異様さに驚いていたが中には映画やドラマやアニメの見過ぎなのか恐怖を感じているものもいた。
先生はというと少し驚き言葉を失っていたがすぐに二人の小さな女の子のもとまで駆け寄って行き話をしようとしていた。
海斗はというとその小さな女の子の二人に見覚えがありすぎて驚いていた。
え?
なんで?
え?
え?
なんで?
何で光と黄泉が学校に来てんの?
それも光は何でパンを片手に?
え?
本当にどういうこと?
「ねぇ?」
「お二人さん」
「何でここに居るの?」
「海斗に会いに来た!!!!!!!」
先生に問いかけられた女の子は大きな声でそう言った。
それはもう教室の端にまでしっかりと聞こえるように。
そしてその言葉を聞いた教室の目が全て海斗へと向けられた。