聖剣と魔剣
「は!」
光は海斗達が学校に向かって少し時間が経ってから目を覚ました。
「ん〜〜」
「かいと〜〜〜」
光はそういうと部屋を出て海斗の部屋を見に行った。
ドアを開けるとそこには海斗はおらず「いな〜い」っと言ってドアを閉め下の階へと向かった。
リビングに着くと机の上に一枚の紙が置いてあるのに気がついた。
光は寝ぼけている頭のまま紙を手に取り書いてあることを読んだ。
学校行ってくる。
起きたらテーブルに置いてある食パンを食べろ。
冷蔵庫にある物を勝手に食べていいぞ。
ただ火は使うな。
光が何を考えたのかは分からないが光は食パンを手に持ち二階で寝ている黄泉のもとへと行き黄泉の体を揺らして起こした。
黄泉は目を覚ますと部屋を見渡し光以外がいないことを確認するととても小さな声だが喋り始めた。
「何?」
「学校行くわよ」
「学校?何で?」
「いいから早く行くわよ」
黄泉は半ば無理矢理、光に引っ張られ学校へと向かった。
海斗はというとガラガラガラっと教室のドアを開け先生に聞こえるように「寝坊しました!」っと言った。
クラスから少し笑い声が響いた。
「分かった」
「席につけ」
海斗は少し恥ずかしい思いをしながら席に着こうとした時、席ほどのようにガラガラガラっとドアが開くとそこから芽衣が「遅れました!」っと言って教室に入ってきた。
一瞬クラスの中の音が全て消えたが先生がすぐにそれを打ち破った。
「おい!」
「霜田!」
「お前はくみも違えば学年も違うだろ!」
「その言葉はお前の学年のクラスの担任に言いなさい」
「ほら!」
「早く自分の学年のクラスへ行きなさい」
「先生……」
「な、何だ?」
「私は……」
芽衣は常に無表情なため芽衣が神妙な面持ちで話し始めるとつい真剣に聞こうとしてしまう。
「私がよく居るクラスはあくまで先生方が決めた物であって私の意思ではありません!!」
「そりゃそうだ!!!!」
「だから早く行きなさい!!」
「いいえ、私の居るべき場所は海斗が居るこの教室です」
「ちが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜う!」
「進級する前に個人個人に誰か一緒のクラスになりたい人の名前を書いただろ!」
「それを書いた時点でお前はそのクラスを望んだような物だ!!」
「先生」
「なんだよ」
「私、それ無記入で提出したので本当に今のクラスには愛着も何もないんですよ」
「はぁぁぁぁ!」
「少し待ってなさい」
そういうと先生は教室から出て行った。
芽衣はというと、先生が居なくなると海斗の方へと行った。
だが海斗の近くの席で空いている席がないのを見ると芽衣は海斗を後ろから抱きしめ少し力を抜いた。
「芽衣重い」
「どいて教室に行け」
「だ〜か〜ら」
「言ったでしょ」
「此処が私の教室」
「はぁ〜〜〜〜」
海斗はため息を出したがそれを聞いた男性群は怒り心頭だった。
海斗と芽衣のあのような辛味は日常茶飯事ではあるがそれに対して男性群は怒りと嫉妬の気持ちを抱いていた、のだがその絡みの途中で海斗が溜めたため息を出すのが男性群からするとかなりイライラさせられる所だった。
男性群の怒りや嫉妬の目を向けられていることに全く気づいていない海斗は姪との絡みを続けるのだった。
男性群の中の一部で怒りと嫉妬でとうとう目を充血させるやつがで始めた頃、先生が一人の女性を連れて戻ってきた。
「あ……」
「清水先生……」
「何で此処にいるの?」
芽衣が清水先生と呼んだ女性は芽衣の担任の教師だった。
清水先生の穏やかな表情の裏にある静かな怒りに芽衣は海斗な抱きつくの何処か寂しそうにやめ清水先生のもとまで行った。
「じゃあ行きますよ」
「は、はい」
「バイバイ海斗」
「また来るね」
最後に芽衣はそう言って清水先生と共に自身の教室へと行った。
「本当に海斗と芽衣先輩は仲がいいな〜」
「義理の兄弟でもあれぐらい仲が良くなるんだな〜」
「私も海斗とあれぐらい仲良くなりたいな〜」