聖剣と魔剣
「あれ?」
「海斗寝てなくて大丈夫なの?」
「あ、そういえば」
海斗は膝から崩れ落ちた。
「思い出したら力が抜けてく」
「右腕も少し痺れるし」
「何があったの!?」
芽衣はそう言うと心配そうに海斗に近づき膝を着き両肩を掴み海斗を支えた。
芽衣の疑問の何があったかの説明は光がした。
説明を終えると一言、光はごめんなさいっと謝った。
「う〜ん」
「それは単なる事故でどっちも悪くないんじゃないの?」
「うん」
「私もそう思った」
「それより海斗を部屋に連れて行ったほうがいいんじゃないの?」
「私一人じゃ無理」
「私も手伝うわよ」
芽衣と楓は二人で協力して海斗を部屋に運び布団に寝かせると後でまた来るねっとだけ言い残し海斗の部屋を後にし夏帆達のもとへ二人は降りて行った。
「夏帆、海斗の朝ごはんもっと食べやすいのがいいんじゃない?」
「確かに、パンは食べにくいかもね」
「お粥でも作ろうかしら?」
「みんなはどう思う?」
「確かにお粥のほうがいいと思うわよ」
「私もそう思う!」
「でも作ってしまった朝食はどうしようかしら」
「じゃあ私達が食べたい」
「剣なのにご飯食べられるの?」
「この姿ならご飯も食べられるのよ」
「じゃあもう一人分作るわね」
「ちょっと待ってて」
そう言って夏帆はみんなと同じ朝食をもう一食分を作り始めた。
「みんなはあっちで座って待ってて」
夏帆がそう言うと芽衣達は声を合わせて「は〜い」っと返事をした。
夏帆は料理を作り終わるとお盆で芽衣達の居るところまで運んでいき机に置いた。
「じゃあ私、海斗のお粥を作ってるから食べてて」
芽衣達は先程のように「は〜い」っと返事をした。
「ねぇねぇ光ちゃん」
「な〜に?」
「光ちゃんと黄泉ちゃんはその裏切った神々に復讐してやろうみたいな考えはないの?」
「う〜〜ん」
「恨みはあります」
「正直、叶う事なら殺しに行きたい」
「でもたとえ私達が再び一つになったとしても殺せる神の数なんてたかが知れてます」
「使い手がいなければ一つになったとしても引き出せる力なんて微々たるものです」
「そんなんじゃ何人か殺した後に捕まって終わりですよ」
「そうなんだ」
「黄泉ちゃんも同じ意見なの?」
楓がそう聞くと黄泉は何も言わずに夏帆の作った焼いた食パンのサンドイッチを頬張りながら頷いた。
「そっか」
「楓のその言葉の後、少しの沈黙が空間を支配したが芽衣がある話題を振って沈黙は打ち破られた。
「光ちゃんと一緒に居た時の海斗はどんなだったの?」
「う〜ん」
「とにかくどこか抜けてる奴で私は海斗と旅をしてた時に色々と自分がこっちの世界の人間じゃないこととか、何度もこの世界に生まれ変わっていることを聞いていたから」
「多分そう言うのを知ってるのは私だけだったんでしょうね」
「海斗はよく今まで愛した人、愛してくれた人の話をしていたわ」
「まあそれと同じくらい自分をこっちの世界によこした女神の悪口を言っていたけどね」
「そうよね」
「海斗はあの女神様のことを嫌っているから」
「私達は感謝してるけど」
「え?」
「二人ともあの女神に感謝してるの?」
「え?」
「光ちゃんあの女神様のことを知ってるの?」
「ええ、多分」
「海斗から聞いた特徴から心当たりのある女神が一人いるの」
「あの女神は神々の戦いには参加せず、まあいわゆる中立の立場の神だったんだ」
「けど私の持ちの主だった神とあの女の会話を聞いたけどひどいものよ」
「いつも上からの立場で自分の意見が通らないと怒鳴り散らかすし怒鳴り散らかしてダメなら子供のように駄々をこねてた」
「他の神にもそん態度なんだから人間への対応なんてもっと酷いものだと思っていたわ」
「へぇ〜〜」
「そんな風に思われる女神様だったんだ」
「じゃあ、逆に二人からしたらあの女神はどんな女神なの?」
「私は慈悲深い女神様だと思ったわ」
「私は死んでどこかわからない場所で海斗ともう会えないのかという辛い気持ちを感じながらもっともっと「ずっと海斗と一緒に居たいと思っていたの」
「でももしそれが叶わないなら生まれ変わったらまた海斗と一緒になりたいって」
「そんなことを考えていたら突然真っ白な空間に椅子に座っていていつの間にか穏やかな表情をした綺麗な人が現れて自分を女神だと名乗ったの」
「その女神と名乗る人はこれからあなたを記憶を残したまま海斗の世界で海斗と楽しく過ごせるようにしてくれるって言ってくれたの」
「実際に今こんな感じで海斗と楽しく過ごせてるんだから感謝しないとおかしいでしょ」
「私も似たようなものだわ」
「死んでしまった後、会いたくても会えないのが分かっているから強い後悔が心を埋め尽くしたわ」
「もっと海斗に甘えればよかった」
「もっと一緒にどこかに行きたかった」
「もっと私の知らないことを海斗に教えて欲しかった
「もっと海斗と一緒の時間を過ごしたかった」
「もっともっともっともっともっともっと考えれば考えるほどそういう後悔は膨らんでいったわ」
「楓みたいに女神様は穏やかな顔はしてなかったし優しい口調でもなかったけど今こうしていられるのはあの女神様のおかげだから感謝してる」
「あの女神が穏やかな表情で?」
「ましてや人が喜ぶことをした!?」
「嘘でしょ?」
「本当よ、本当」
「多分海斗の元嫁十五人がほとんど同じ対応を受けたんじゃないかしら?」
「え?」
「海斗、お嫁さん十五人も居たの!!!!!」
「あれ?」
「聞いてなかったの?」
「いや、確かにお嫁さんが複数いるっぽい話はしていたけど特に何人?なんて聞いたことがなかったから」
「そうなんだ……十五人…」
でも何だろうな。
あの女神がこんなことするなんて。
なんか裏がありそうだけど
十五人…
十五人か……
多分あの女神がしたことは神々のルールでは違反なはず。
こんなことをしたんだから重い罰を受けたはず。
特に世界の危機でもなければそれを解決する適正のない人間を十五人も無断で転生させたらタダじゃ済まないだろうに。
一体、あの女神は何を考えている?
そういえばズレはどうした?
確かこの世界はズレに厳しいはず。
一人でも世界が自動でそのズレを治そうとするはずだよな?
私達とは違い工夫したのか?
でもあの方法は。
それに彼女達は此処で肉体を得ている。
あぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!
もう分かんない!!!
そもそも神のルールなんて興味なかったから詳しく知らないし。
もういいや。
もしなんかあるなら。
その時よ!!!




