変化
「そう言わないでよ夏帆」
「あんな事をしたのよ」
「私も楓も今日は海斗の近くで寝たいのよ」
「分かるけどさ」
「分かるけど…………」
「だったら明日そうしなさいよ」
「別に今日じゃなくてもさ」
「ね?」
「そうね」
「ん?」
「何をしているの?」
芽衣は自分達が敷いた床の布団に入り眠りに着こうとしている海斗に向かってそう言った。
「何をしてるって寝ようとしてるんだけど」
「早く来なさいよ」
「此処に」
「だからさっきも言ったじゃん」
「ヤダ!」
海斗はそういうと布団に潜って喋るのをやめた。
それを見た芽衣達は海斗の掛け布団を持って音や気配を消し床に移動し横になった。
そして楓と芽衣は海斗の掛け布団に潜り込み夏帆は一人海斗の掛け布団を掛け羨ましそうに海斗達の方を見ていた。
絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対!
明日の夜は海斗にしがみついて離れないんだから!
絶対!
「うわ!」
「お、お前ら」
海斗はガバッと体を起こした。
「何で入って来てんだよ」
「それに俺が気づかないなんていったいどうやって」
「いや、一体どこでそんな技を?」
「ふふふふふふ」
「何だよその笑い方」
「私は夏帆に教えてもらったのよ!」
「隠れ方もね!」
「そうか」
「それなら納得だ」
夏帆なら元冒険者として魔物から身を隠す方法や気配を消す方法を音を最小限に抑える方法もわかるだろう。
でも一体どうやって芽衣は夏帆から教えてもらったんだ?
いや、二人は仲が悪いわけではなさそうだし素直に芽衣が夏帆に聞いたのか。
「ん?」
「じゃあ」
「二人に今日会ったばかりの楓は?」
「私は生まれた場所が生まれた場所だったから」
「よく狙われたりしていたのよ」
「だから自然に身を隠す方法や気配を消す方法音を消す方法を学んだのよ!」
楓は親指を立て誇らしそうにそう言った。
「仕方ない」
「じゃあ今日はこれでいいよ」
海斗は芽衣と楓に両腕を抱き締められながら目を瞑り眠りにつこうとした。
「あ……………」
「どうしたの?」
「そういえば三人は今日何でこんな事を?」
「あれ?」
「このことは特に隠してるつもりなかったんだけど」
「え?」
「いや私達、今日ゲームしてる時に会話してる時に普通に言ったんだけど今日は女子会しようって」
「だから皆んな一度家に帰って準備してからまた家に戻って来たのよ」
「女子会ならなぜ俺の部屋に?」
「それは普通にゲームしながら話してたら分かったんだけど海斗がいる時に女子会するよりいない時の方が良くない?って」
「なんで?」
「だって海斗がいると私達は海斗の気になって海斗の話よりカイトを見に行きたくなっちゃうもの」
「だから今日は海斗の部屋で寝ようって」
「ただその話になってから海斗の隣で誰が寝るかってなったの」
「あのベットだと二人でも結構ギリギリだからある程度余裕があるように今回は一人だけが海斗の隣で寝ようって」
「だからゲームの勝敗で隣を決めたの」
「それで夏帆だったと」
「うん」
「それにしては夏帆は一番遠いんだな」
「うん」
「夏帆は明日」
「今日は私達」
「そっか」
俺の了承はなしですか?
まあいいけど。
暗くて見えないだろうし。
明日は夏帆の反対を向けば大丈夫だろう。
ただ朝が心配だな。
みんなより早く起きた方がいいな
うん。
それがいい。
よし、俺の作ったタイマー魔法を掛けてっと。
そして海斗達は眠りについた。
海斗は暑苦しく眠るのに多少時間がかかったが深い眠りについた。
芽衣と楓は海斗の腕を体に押し当てることで海斗と同じ暑苦しさを感じてはいたがそれを幸福感が大きく上回り深い眠りについた。
夏帆はというと海斗達の方を見ると海斗の腕にがっしりと抱きつきながら幸せそうな顔をしている芽衣と楓に親の仇でも見るような目を向けてしまうと思い反対側を向き海斗の掛け布団を鼻に近づけ匂いを嗅ぎながら丁度いい温度の中、海斗達よりも早く深い眠りについた。
魔王城、謁見の間。
そこは広く薄暗く装飾は豪華は豪華だが魔王の禍々しさが損なわれない程度であった。
そこには一人の勇者と玉座に座る魔王。
「魔王」
「一つ聞いていいか?」
「何だ勇者?」
「言いたいことがあるなら言葉を選んで発言した方がいい」
「お前はこれから我が手によって朽ち果てるのだから」
「その口から発せられた言葉は我に挑んだ哀れなものとして語られる」
「だがせめて勇ましい意志を持った者だったのだと後世に残せるように」
「そんな心配は無用だ魔王」
「結界を壊すことのできない貴方に俺が負けることは決して万が一にもない」
「アハハハハ」
「愉快だな」
「そのような虚言で我が騙せると思っておるのか!」
「虚言?」
「あんな物、いち勇者ごときが作れるものか!」
「あれは我を恐れた神が自身のルールを破り作った囲いであろうが!」
「そうか」
「そう思っていたか」
「まあいい」
「すぐに分かる」
「では始めるか」
「いや、だから一つ聞いていいかって聞いてるんをだけど」
「チッ」
「せっかく乗って来たというのに」
「それで?」
「なんだ?」




