久しぶりの学校
「マグロ漁か」
「やっぱ大変だったか?」
「あ、ああ」
「そりゃもう!」
「ああ〜」
「肩腰痛え〜〜」
セイと隼人はその後もくだらない話をしながら教室へと向かった。
「それでその女優がさって着いたな」
「まあそんな距離無いもんな」
「大丈夫か?」
「お、おう!」
隼人は扉を開けると先にクラスに入っていった。
「ふぅーーー」
「よし!!」
海斗の心臓の鼓動は最高潮に早くなり胸は苦しくなり耳の奥では鼓動の音が聞こえた。
クラスの中に入ると一瞬だけ海斗の背筋に冷たい物が走った。
ゾクゾクとした物が走り海斗のおでこには脂汗が滲んだ。
海斗は横目でチラッとクラスを見た。
一瞬だけクラスメート全員が奇異な目で見てきていた。
だがすぐにある者は読書に戻りある者は友との会話に戻った。
海斗の息は荒くなったが目立たないように漏れる音を出来るだけ小さくした。
海斗はもう先程のような奇異な目で見られていないのにも関わらず最高潮の心臓の鼓動の速さは変わらず辛い思いをしながら机と机の間を抜け自分の席に着いた。
「案外普通に入ってこれたじゃん」
「ん?」
「どうした海斗?」
海斗は俯き口を両手で抑えバレないように大きく息を吸いゆっくりと音が出ないように出すのを何度か繰り返した。
海斗の心臓は段々鼓動のスピードを通常のスピードに戻して行き耳から聞こえていた音は小さくなっていき胸の苦しむも治ってきた。
「ふぅーーーーっ」と最後に小さく息を吐いた。
「ごめんちょっと緊張したわ」
隼人は笑いながら「何だよそれ」っと言った。
海斗が隼人に話しかけたからか他のクラスメートで海斗とたまに話す人達が興味や心配の念を持って話しかけてきた。
朝の軽い質問攻めが終わるとそれからは一ヶ月前の学校生活とあまり変わりはなかった。
ただ問題があるとすればマジで勉強についていけないことだった。
小さいことのようで学校といものにおいて一番大切な問題だった。
国語総合では漢文の場所に入っていてある程度わかる場所はあるが漢字の意味がわからないなどがあった。
数学Ⅰでは単純に公式は教科書に書いてあるが実際に聞いて解く事をしていないせいで公式を見ても解けなかった。
コミュニケーションⅠ英語では単語の意味や他にも色々とわからなかった。
生物ではいきなり此処が何で此処がこうで此処がこういう理由でこう動いているっと言われてもそこまでに辿り着く過程のものが分からないせいで珍紛漢紛だった。
化学でも生物と同じ感じで過程の単語の意味が分からないせいで珍紛漢紛だった。
総合学習では皆んなが地域のことを調べまとめていたが俺だけ何もしていなかったことから一人調べた。