久しぶり
海斗は台所に着いた。
だが置いておいたはずの場所にお菓子がない。
海斗は引き出しなどをサイレントの魔法を掛けてから開けてお菓子を探した。
だが何処を探しても海斗の探しているお菓子は見当たらなかった。
「あれ?なんで無いんだ?」
海斗はつい口に出してしまった。
人は時に思わず口から言おうと思ってないのに心の声が漏れてしまうことがある。
だが海斗はこれを芽衣が居る家の中では最もしてはいけない事の一つである。
特に今の状態は。
芽衣は耳を澄ましていた。
海斗が何故一度廊下に出て部屋に戻ったのかをだが何故か何も聞こえない。
どうしても聞こえないから自分の耳が少し悪くなったと思いドアに耳を付けて聞こうとしていた。
だが人の声が聞こえてきたのは下の階からだった。
芽衣は出来るだけ速く、だが海斗に音を聞かれないように下の階へと向かった。
海斗はというと一度探した場所を再び探していた。
もしかしたら探し忘れがあったのかと思って。
海斗が下の戸棚を上半身を乗り出し探していると下半身に様々な感触が襲ってきた。
これはよくされたことがあるものだった。
「え〜と」
「芽衣さん離してくれませんか?」
「海斗がそういうが返答が感じられない」
「あの〜芽衣さん」
「本当お願いだから離して」
「ヤダ」
「海斗昨日のことで怒ってる」
「怒ってなんて無いよ芽衣」
「だから…ね?」
「分かった」
芽衣はそういうと海斗の下半身に巻き付けていた腕を解いてくれた。
海斗は戸棚から出ると芽衣と顔を合わせた。
芽衣の顔は心なしかげっそりとしていた。
「どうしたんだ?芽衣?」
「なんだかげっそりしているような」
「ああこれね」
「海斗成分の過多な減少による一時的なものよ」
「なんだよそれ!」
「朝会った時はそんなんじゃなかったじゃん」
「いやあれは」
「海斗とお父さんお母さんに心配して欲しくなかったから海斗の隠し撮りを眺めながら………ね」
眺めながら他になんかあるのか?
海斗は芽衣の少しの言葉の間に恐怖を感じたのだった。
「さっきまでも観てたんだけど足りなかったみたい」
芽衣は海斗にいきなり抱きついてきた。
海斗の胸に顔を埋め十秒経つと離れ顔はぴちぴちな物へと戻っていた。
「お、おぅ」
「なんかすげーな」
「なぁ芽衣」
「何?」
「お前ってさ前はそんなんじゃなかったよね?」
「え?」
「前はもっとこう大人しくてお淑やかでなんていうかお嬢様だった!」
「ああ」
「うん」
「そうだったのかもね」
「まあ生まれ変われば色々変わるわよ」




