面倒
その後楓は用事があるとの事で部屋から出て行った。
1人になった海斗は1人で考えを巡らしていた。
それにしてもなんか引っ掛かるんだよな。
なんかやけに男達とお父さんが必死というかあそこまでするかっていうか。
う〜ん。
なんかな〜。
廊下にて。
楓が1人で廊下を歩いていた。
そして襖の前に立つと息良いよく2枚の襖を開けた。
すると先程部屋に来た男達以外にも沢山の男達がそこには居た。
そして楓が襖を開けてすぐ男達は正座の状態で両拳を畳に置き頭を下げ「お疲れ様です!楓様!」っと言った。
楓は何かを返すわけでもなくズカズカと空いた畳の真ん中を歩いた。
そして1番奥で堂々と座布団に座っている父親の少し離れた隣に座った。
「おい!」
楓は男達に向かってドスの効いた声でそういうと男達は体を大きくビクつかせ「はい!なんでしょうか!」と声を合わせて返した。
「けいけい、やすやす、ひろひろ、あおあお、しんしん、ゆうゆう、かずかず前へ出てきなさい」
あだ名で呼ばれた男達は「はい!」っと返事をして前へ出てきた。
「座りなさい」
「はい!」っと男達は返事をして正座をした。
「あなた達は海斗に私的な欲求を満たすためにあの行為を行なったわよね?」
男達は沈黙し汗を拭ける雰囲気ではないことからダラダラと流して畳に垂らしていた。
「答えなさい!!!!!!」
楓はドスを効かせ怒りを感じさせる声でそう放った。
男達はビクビクと体を震わせながらゆっくりと口を開いた。
「そうです」
「そういう幸福感を覚えながら行っていました」
「楽しんでました」
「自分によって傷付いていくのに興奮してやっていました」
「悲鳴を聞きたくてやってました」
「苦痛に歪む顔が好きでやっていました」
「痛みに耐えようとする顔が見たくてやりました」
「そう…」
「あなた達がどういう考えや気持ちで海斗をあんな事になった手伝いをしたのね」
「じゃああなた達は海斗に何をしたの?」
「バットでさまざまな場所を痛めつけました」
「ナックルで色んなところを殴りました」
「皮をナイフで剥いだり切りつけたりしました」
「電流を流しました」
「全ての爪を剥がしました」
「みんなが付けた傷を抉ったり塩を塗ってみたりしました」
「そう…」
「そういう事をしたのね」
楓は話を聞いている時片方の拳を痛いほど握っていた。
「全員!コイツらが今言った海斗にした事を自分の身で思い知らせなさい」
「はっ!!!」
男達はそう返事をすると7人をどこかへ連れて行った。