学校
芽衣は昼休みの間ずっと俺のそばから離れなかった。
「ほら昼休みが終わった予鈴がなったよクラスに戻りな」
「んん〜」
芽衣はそう唸りながら何かを考えていた。
「そういえばもう予鈴がなったのにまだ隣の席の人戻ってこないね」
「あぁ」
「今日は休みだよ」
「そっか〜」
「そうなんだ〜」
芽衣はそう言うと椅子を元あった場所に戻し何食わぬ顔で今日休みの隣の席の人の席に座った。
「は?」
「ん?」
「いや」
「ん?じゃなくてさ」
「早くクラスに戻れよ」
「ん?」
「だから」
「ん?じゃねぇよ」
「何言ってんのよ」
「私は今日から1年4組よ」
「いや違うだろ」
「芽衣は留年してないだろ」
「へ?」
「そうだっけ?」
そんなやりとりを2人がしていると授業が始まる予鈴が鳴り世界史の先生が教室に入ってきた。
先生は自己紹介をした後プリントを配り始め途中で芽衣を見ると驚いた顔をした。
「霜田さんなんでこのクラスに居るんですか?」
「早く自分のクラスに戻りなさい」
「え〜〜〜」
「嫌ですよ〜」
「星川先生」
「ほら立って」
「は〜い」
芽衣は先生に連れられクラスを出て行った。
「なぁ隼人」
「何?」
「芽衣ってこの学校で有名なの?」
「え?」
「お前知らないの?」
「知らない」
「芽衣先輩はこの学校に入学してからずっと学年一位の成績であの美貌とスタイルそれにあの周りにあまり性格が男女共に憧れの窓の1人だよ」
「憧れの窓って1人じゃないの?」
「この学校には3人の憧れの窓がいる」
「1人目がお前の姉貴の2年芽衣先輩、2人目が柔道部2年の黒崎楓先輩、3人目が剣道部部長の花枝涼太先輩だ」
「1人だけ男の人なのか?」
「ああ涼太先輩は中性的な顔立ちで周りにとても優しい上に文武両道でとても周りに慕われてる人らしいよ」
「お前、それにしてもよくそんな情報知ってんな」
「ああ」
「俺の姉貴に聞いたんだよ」
「お前、お姉さんがいるのか?」
「ああ2年に居るぞ」
「へぇ〜」
「今度会ってみたいな!」
「あってもそんないいもんじゃねぇよ」
「陰湿で意地悪でペッタンだからな!」
「なんだよそれ」
海斗はそう笑いながら言った。
その後は戻ってきた世界史の先生が配ったプリントを教科書を読みながら解きその答え合わせをして5限は終わった。