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ヘーレ

「わかった全部話すから杖を下ろしてくれ」


「本当に全部話す?」


「ああ」


「話すからさ」


海斗がそう言うと美女は警戒しながらもゆっくりと杖を下げた。


そして海斗の話を静かに聞いた。


海斗が美女に話したのは全てだった。


海斗はこの女性に嘘が通じないと判断して今まで誰にも話したことのなかった別の世界にいたが女神によってこの世界に来たこと、もう何度もこの世界に転生していること魔人国の結界は自分が張ったこと、張ったのはいいが解除できなくなり壊すのに手間取っていること壊して魔王を殺さなければ転生が終わらないことを話した。


話を聞き終えた美女は少し間を置き「ん〜」っと唸り声を上げた。


「正直信じるのは無理ね」


「だから私が信用出来るまで監視させなさい!」


そう言って美女は俺に向かって人差し指を向けて言ってきた。


「は?」


「え?」


「それはさ〜」


「か・ん・し・さ・せ・な・さ・い!!!」


「は、はい」


「じゃあ着いてきて」


それから美女は海斗の家へと着いて行き半月もの月日が過ぎるだろうかという頃には美女は海斗が農業など用事で魔法制作ができない時代わりに制作していてくれるぐらいには仲良くなっていた。


美女…いやヘーレが俺のあの話を信用してくれた理由はヘーレが家に来てからコツコツと素材を集め完成させた魔法薬でだった。


ヘーレは俺の家に来てからずっと毎食作ってくれていたその理由は少しずつ集めた素材から作った魔法薬を混ぜた料理を食べさせるためだったらしい。


俺はその日いつものようにヘーレが作ってくれた夕食を口にした。


その日のヘーレの料理もいつものように美味しくなんの疑いもなく平げた。


食べてすぐに俺の意識はなくなった。


ヘーレが海斗の料理に仕組んだのは仕組まれたものが眠りに付き聞いたことに対して全て知っている真実で答えてしまう薬だった。


そしてヘーレが海斗に聞いたことは二つ、一つ目が前に話してくれた話は全て本当なのかどうか、二つ目が…

俺が目を覚ますとヘーレは一生懸命謝ってきた。


「本当にごめんなさい!」


「うわ!」


「どうしたの?」


「あなたの料理に薬を仕込んだの」


「薬?」


「私が聞いたことに全て真実を話してしまう薬を料理に混ぜたの」


「そうか…」


「それで?」


「ヘーレが調べたいことはわかったの?」


「ええ」


「わかったわ」


「わかったわ」


ヘーレは何度も首を縦に揺らしながらそう言った。


「何でお前泣いてるんだ?」


ヘーレは鼻を啜りながら涙を拭き一言「私も好きよ」っと言った。


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