ヘーレ
次の日海斗は学校に行きクラスに入り席に座り先生が来て全員が集まると後ろの席から入学前に出された宿題と雑巾二枚を回収してもらい先生に渡した。
そのあと入学前に出された宿題のテストをした。
その日はテストが終わると家に返された。
やっぱりヘーレに似てるよな。
「ハァーー」
話しかけてみた方がいいのか?
ヘーレとは七回目の転生で出会った。
ヘーレは当時最強の魔女として有名だった。
彼女は博識で美しく魔力は常人の十倍はあった。
彼女と俺があったのは俺が魔人国に貼った結界の前でだった。
俺はその日、新たな魔法を試しに結界に来ていた。
その時に試した魔法が魔槍アブゾプション。
辺りの魔力を吸収し威力を高め続ける魔法だった。
だけどあの魔法は結局結界の魔力を吸収する前に耐えられなくなり爆発した。
そして俺は農業などを終えた少しの魔法制作の時間の賜物である魔槍アブソプションが結局、爆ぜて終わったことにがっかりしながら帰ろうとした時、現れたのは息を切らした黒髪のスレンダーな美女がいた。
「あ、あなた、ハァハァハァ、な、何をしてたの?」
「ハァハァハァハァ」
「まずは息を整えたら?」
美女が息を整えるのを待ち美女は息を整えると鋭い目つきで喋り始めた。
「あなた此処で何をしていたの?」
「魔法の練習をしてました」
「魔法の練習?」
「こんな所で?農民のあなたが?ありえないわね」
「なんで?」
「なんでってあなたね」
「この辺りはこの結界から発せられる魔力のせいで魔物がとても強いのよ」
「私レベルならまだしもあなたみたいな農民が来れるわけないわ」
「そう言われてもな」
「まずあなたは農民じゃないでしょ!」
「わざわざそんな格好して誤魔化そうなんて無理に決まってるでしょ」
「さぁ答えなさい」
「あなたは此処で何をしていたの!」
「それにさっきのは何?」
「魔力が物凄く吸収されたしあの爆発音」
「早く答えて!」
「ん〜なんと答えたもんかな?」
「早く答えてって言ってるでしょ!」
「言い訳なんて考えてないでさっさと答えなさい!」
「分かったよ」
「俺はこの結界を壊せるか作った魔法を試しに来たんだ」
「この結界を壊しに?」
「ってことは魔王の手の者って事かしら?」
「なら結局あなたのことは生かしておけないわね」
そう言うと美女は腰のポーチから木の枝を取り出し取り出した木の枝に魔力を流し込むと木の枝はみるみる大きくなり美女と同じぐらいの大きさの杖になりそれを海斗へと向けたのだった。