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夏帆

私が思い出したのはクエスト完了の報告だった。


あまり遅いとクエスト失敗と判断され別の冒険者に斡旋される可能性があったから行くしかなかった。


私はクエストを報告するとすぐに村へと帰った。


私は療養中にあの村でのんびりすることを気に入ってしまった。


いつも命懸けのクエストをしてきていた反動だったのかもしれない。


村に戻ると村の人たちには再び歓迎してもらった。


私は特に理由はないが村に戻って来てから再び私を助けてくれた男の家に住み着くようになった。


助けてくれた男は何度も用意された家に行くように促してきたが私は断固として此処から離れることを拒否した。


私はそれからも断固として離れることを拒否し続けた結果、男は何も言わなくなった。


そんな感じで男と月日を過ごしていると男が結婚を申し込んできた。


正直とても嬉しかった。


私は告白を聞いて頬が緩みそうになるのをどうにか気

持ちの力で抑え強がりで変なことを言ってしまった。


そして私はその男と結婚し子供を3人も授かった。


そんな幸せな日々が過ぎていきこんな幸せがいつまでも続いて行くのだろうと思っていた。


だがその幸せが壊されたのは何人もの叫び声でだった。


私はその日、子供達に隠れるようにいい今でも度々使っている冒険者時代からの付き合いの剣を持ち外を出た。


外に出ると火矢が幾つも降って来ていた。


その火矢で燃える家や人、私は出来るだけ助けられる人を助けようとしたが何人かのこの惨劇を生み出したであろう一味が人を襲いながらこちらに来ていることに気づき燃える人や燃える家の中に取り残された人を見捨てるような形でその一味を殺す行動を取った。

奴らは弱く簡単に殺すことができたが燃える人や燃える家の中に居たであろう人の声が聞こえなくなるには十分だった。


私は腕の中でもはや手の施し用のない冷たくなっていく優しく接してくれた女性を見ながらさっき私は燃えていた人達の方を助けたほうが良かったのだろうかと後悔の念を感じながら短い時間だったが放心状態で立っていたと思う。


私は胸の傷から血を垂れ流す女性をゆっくりと地面に置き一味が来た方に走った。


中央広場に着くと村人達が農具で一味と交戦していた。


ある1人の村人が私に気がつくと思いっきり持っている農具を敵の喉元に突き刺しトドメを刺すとこちらに近づいて来て話をし始めた。


「盗賊達が攻めて来て自警団の人達は盗賊達を追っ払うことはできず全滅し盗賊達が今押し寄せて来たって感じでどうにか農具でで対応してるが多分もうダメだと思う」


「あんたは子供を連れて逃げろ!!」


「どうにか逃げるだけでも抑えてやる!」


「いえあなた達への恩を仇で返すわけにはいきません

私がいればもしかしたらお互い共倒れ程度に持ち込めるかもしれませんし」


「本当にいいのか?」


私はその言葉に頷き戦いに参加し死んだ。


殆どの盗賊を村の人達と共に道連れにして。


本当に大変だったわ。

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