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YDK3667猫復讐物語  作者: JunG
3/3

僉議

「みんな、話したいことがある。」


忽ちにdiscordグループJunGの通知が鳴り始める。

所詮昔のグループとは言え衰えを感じない活発さである。


「ここは変わらないな。」


少しの安堵感に浸かっていると、一通の電話がきた。


「翔大か、明日には帰るからママと妹に宜しくな。」


父親からの電話だった。


「ああ、皆父さんの帰りを待ってるよ。 じゃあね。」


通話が切れる。


「まずいな」


俺は思考を巡らせる。


「明日には父さんが帰ってくるから間違いなくこの惨事はバレるな」


ただでさえ俺の父親は警察の警視総監なのだからバレる訳にはいかないのだ。


「間違いなく復讐どころでは無くなってしまうな。」


そうしている間にもJunGの通知は鳴り止まない。

ここのグループは腕の利く者ばかりである。


『ydkとりあえず通話きてよ』


1件のメッセージに目が止まる。


「こいつらと通話は嫌だな。。」


このdiscordグループJunGは確かに名の馳せた腕揃いばかりではあるのだが、どうも馬が合わない人ばかりなのだ。


「おっと」


こんなことで躊躇してしては復讐どころじゃない、俺はすぐさま通話に入った。


「よう」

「ydkようやくかよ」

「流石におそすぎー」

「またお得意の虚言癖か?」


五月蝿い。。


「お久しぶり。」


『ああ。』


「今日は、さっきも言った通り皆じゃないと出来ない事が1つあるんだ。」


『それは分かってるって、早く話してよ。』


「そう焦らないでくれよ。」


どこから話せばいいのやら。

長くなるがこいつらには全て話しておくか。


「実は昨日、俺の家族が父さん以外全員何者かに殺害されてしまったんだ。」


「今日はその殺害した何者かを皆に特定して貰いたい。」


『おいおい、また虚言癖かよ』


『心配して損したわ』


俺は何も答えない。


『え?』


『もしかして、まじ?』


「ああ。」


『それは、何とも。。』


「同情はいい。俺が望んでいるのは復讐、それだけだ。」


『わかったよ。悪かった。』


漸く信じてくれたか。

全く、コイツらとは話してるだけで疲れるな。


この犯罪者共が.........。


片耳の龍斗

罪状【同性殺し】


長時間睡眠の洋平

罪状【親族殺人未遂】


情報屋の雄吾

罪状【窃盗】


狂気の森田

罪状【殺人及び死姦】


虚言の翔大

罪状【詐欺】


そして。


年齢詐称の淳二

罪状【外患誘致罪】


ここのグループは皆犯罪者なのだが、やはりリーダーである淳二は格が違うな。


『で、情報が無いことには何も始まらないけど』


「それが……」


『情報ない?』


「ああ。」


『情報が無しに明日までって流石に難しくないか?』


「無理を承知で頼んでいる。頼む。」


『………』


『いいよ。』


「本当か?」


声を思わず荒らげてしまう。


『ただし3日必要だ。』


「3日だと?」


『3日』


「それは駄目だ、明日には父さんが帰ってきてしまう。」


『そのぐらい何とかしろ、親の携帯でも使って旅行に行ってくるとでもメールしておけばいいだろ』


「そのぐらいで騙せる父じゃない。」


「お前らだって分かってるはずだろ」


『まあ。。』


沈黙が続く。


「…分かったよ。何とかしてみせる。」


『悪いな』


「いや、こっちのセリフだ。」


こうして、初日の通話は終わった。


「それにしても3日か。」


俺は呟く


「長いな………」


「復讐の為なら仕方ないか。」


それにしても、暑い。

いくら夏とはいえ、頭がどうにかなりそうだ。


「今の気温は?」


携帯を見る


「…42度?」


道理で暑いわけだ。

42度なんて聞いた事がない。

ただでさえ俺の家はクーラーが壊れているって言うのに。


「アイスでも買いに行くか。」


………………


………………………


………………………………………


「ここは……」


「外か。」


なぜだか頭が痛い。

右手にはビニール袋、そして中にはガリガリ君が。


「何故俺はこんな物を…」


そこで遠くから呼び声が聞こえる


「ん?」


「やっぱり、翔大君だ。」


「なんだ、唯華か」


「こんな所で何してるの?」


「ん、いや。アイスを買いにだな。」


「暑いもんね。今日。」


「あ、今日私バイトだったんだ。」


「じゃあね!」


「風のような女だな…」


一瞬で現れて一瞬でどこかに消えていく。なんだったんだ…。


それにしてもなんで俺はこんな場所にいるんだ?


思考を巡らせる。


「駄目だ。」


微塵も分からない。

まぁいい、取り敢えずやるべき事を終わらせよう。


俺はホームセンターに行き硫酸を買って帰る。


「ふう。」


漸く家に着く。

シャベルを持ち庭へと進む。


腐乱臭が大分酷い。

鼻にティシュを詰め死体のある所まで掘り進める。


「酷いな」


死体が全て蛆虫に覆われていた。俺は蛆虫がこびり付いた死体を持ち上げ、風呂場へと進む。


「こんなものか。」


アマツツミ、ツクヨミ 妹 母を浴槽に入れる。

硫酸の蓋を開け風呂の中に全て流し込む。


「そろそろか?」


風呂場の中を確認する。

すると……。


「骨だらけだ。」


硫酸によって肉は全て溶かされ骨のみがそこには残っていた。


「この骨はドラム缶にでも入れて海に流しておくか。」


「海、ここからどれぐらいだっけな…。」


俺は時計を見る。


「まずいな…タイムリミットまでだいぶ近い」


俺は急いでバイクに乗り海まで走った。


「着いた……。」


俺は海にドラム缶を投げ捨てた。

「じゃあな。屑共。」


ここで俺の視界は暗黒に染まった。


……………


…………………………


…………………………………………


「ここは………」


俺は首を傾げる。

おかしい。

確かに俺はコンビニに行ったはずなのに。


「近頃こうゆうのが多いな。」


そこで一通の通知が鳴る。


『翔大か?』


『俺だ。洋平だ。』


「ああ、何か分かったか?」


『あれから大分進展があってな。』


「あれからって、まさか寝てないのか?」


『当たり前だろ。』


『で、分かったことが1つある』


「だからなんなんだよそれは」


『お前の近くの病院、大分怪しいぞ。』


「なんだって……?」


『じゃあ俺らは寝るから、じゃあな』


通話の切れる音がする


「病院だと……?」


俺はタクシーを呼び、急いで家に戻る


「はあ、はあ、」


やっとの事で家に着く。


「変だな。」


病院では俺が1週間入院していたが、おかしい点は特に見当たらなかった。


「…待てよ?」


俺はスマホを見る


本当に、1週間だったのだろうか。


「うっ」


急に頭を働かせたからか、頭に頭痛が走る。


「疲れたな。。」


そうして俺はソファで横になると━━━━


ピンポーン


家のチャイムが鳴る。

誰だ…?


「翔大か?帰ったぞ。カギを開けてくれ。」


まずい!!


俺としたことが父さんに連絡する事を完全に忘れていた。


「まずいまずい!!」


「どうする!?」


過去最大の焦りなのかもしれない。


言い訳を考えていると。


ガチャ


「なんだ。カギが空いてるじゃないか。」


「!!!」


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