第八十話 パラリスでの1週間
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シュッツガルドに1週間も待たされた事に、リムリアは文句を言っていた。
しかし、その7日間。
和斗とリムリアは、パラリス観光を満喫していた。
多種多様なスイーツ。
ワインに果実酒にブランデー。
チーズに生ハム。
ランス領独特の飼育法で育てられた家畜や野菜や果物。
これらの素材を存分に生かした、ランス料理の数々。
或いは、伝統ある寺院。
ランス領でしか目に出来ない絶景。
歴史が創り出した名所。
様々な観光名所巡りなどだ。
だが、それ以外にも重要な事があった。
マローダー改がレベル102になった時のこと。
サポートシステムはこんなコトも言っていた。
――ドローンのレベルアップが第11段階まで可能となりました。
――武器強化が400万倍まで可能となりました。
耐熱温度が3兆℃まで強化可能になりました。
耐雷が10京ボルトまで強化可能になりました。
オプションポイントとスキルポイントのリセットが可能となりました。
――マスターのステータスがマローダー改の30%になりました。
耐熱性能や耐雷性能、F15は、もう強化した。
が、それよりも気になるコトがある。
オプションポイントとステータスポイントのリセットだ。
「なあ、サポートシステム。『オプションポイントとスキルポイントのリセットが可能』って、どういうコトが出来るようになったんだ?」
――現在使用している個人武器や搭載武器を、購入したオプションポイントに戻す事が出来る、という意
味です。
そして、武器強化に使用したスキルポイントも、武器の性能を元に戻せば変換されます
「ってコトは、マローダー改の武装を、ポイントを失うコトなく、もう1度最初から設定し直すコトが出来る、ってコトか?」
――その通りです。
「そりゃあイイな」
サポートシステムの答えに、和斗が考え込む。
マローダー改の武装を、1から考え直したい。
それは、以前から考えていた事だ。
マローダー改の強化や装鎧によって、必要のない武器も出て来たからだ。
しかし購入にも強化にも、大量のポイントを消費している。
そのポイントを失うのは、もったいない。
そう考えて、武装の問題を追及するコトはしなかった。
だが今、搭載武器を1から考え直すコトが可能になったのだ。
しかもポイントを損するコトなく。
というコトで和斗は。
「よし。根本的に考え直すか」
マローダー改の全武装をポイントに変換して、やり直すコトにした。
まずはマローダー改を、武器が1つもない状態にする。
そして新たに武器を購入して、強化していくのだ。
……少しワクワクしてきた。
まあ、それは置いといて。
まず、F15があるから遠距離攻撃は、それほど重要ではない。
アパッチがあるから連射力も、それほど重要ではなくなった。
しかしマローダー改単独でも戦えるだけの戦闘力は残しておきたい。
「そうなると、やっぱり連射力と対空火力はあった方がいいか」
バルカン砲対空システムの購入は決定。
「あと、チェーンガンの連射力と破壊力も、買いだろうな」
チェーンガンの弾丸は貫通力もあるし、爆発するのも高ポイント。
「チェーンガンの弾丸は爆発するから、強化すればミサイルは必要ないか」
なので、ヘルファイアやハイドラポッドは購入しなくても良いだろう。
「逆に破壊力があり過ぎても、困った場面があるかもな」
具体的には、標的以外に危害を与えず狙撃する武器。
「となると、M2重機関銃は必要だな」
しかし強力な武器も用意しておきたい。
「戦車砲とレーザー砲は必須だよな」
「あ、当然ながら、様々な威力のモノを用意しておかないとな」
というコトで武器を購入し直して強化した結果。
3連装戦車砲 100倍強化
10万倍強化
400万倍強化
3連装チェーンガン 100倍強化
10万倍強化
400万倍強化
3連装バルカン砲対空システム 100倍強化
10万倍強化
400万倍強化
3連装M2重機関銃 ノーマル
5倍強化
20倍強化
レーザー砲 最高焦点温度2兆℃(威力は可変式)
これが新たなマローダー改の武装となった。
「こんなモンかな」
和斗は満足そうに笑うと。
「後は俺のステータスか。確かマローダー改の30%にアップしたんだよな。サポートシステム、俺のステータスを見せてくれないか?」
今の自分の強さを確認してみる。
和斗 ステータス
最高時速 2万4千 キロ
重量(質量) 42万 トン
防御力(鋼鉄相当) 21万 キロメートル
神霊力 恒星300 相当
「う~~ん、マローダー改のステータスの30%か。たった3割でも、もう想像できないレベルだな、現実味がない」
とはいえ。
至高神は言っていた。
《実はキミたちの世界に、異世界から召喚されたチート能力者がいてね。ソイツが世界征服なんて馬鹿なコトを企んだんで、惑星神が眷属を作り出して退治しようとしたら、逆に眷属ごと返り討ちに遭っちゃったんだ》
《惑星神は、いざという時に惑星を破壊して造り直すんだから、当然ながら惑星を破壊する力を持ってる。その惑星神を倒したんだ、そのチート能力者の強さはハンパない》
《だからカズトくん、キミにそのチート能力者を倒して欲しいんだ》
その内容を考えると、今のステータスでも安心できない。
なにしろ惑星を破壊する破壊神を倒したのだから。
確かに至高神は、レベルアップを急ぐ必要はない、と言ってはいた。
が、油断禁物という言葉がある。
レベルアップは積極的に行う方が良いだろう。
などと考えていたトコロに。
ジャーマニア領のダンジョン調査の依頼があると告げられた。
だから和斗は、喜んで依頼を引き受けたのだった。
2021 オオネ サクヤⒸ




