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「髪縛ろ?」
細くて白い、少し骨ばった指が私の髪をすいた
耳や首にその指が触れ、ドキッと心臓が跳ねる
「お兄さん?私子供じゃないですよ!?」
こんな風に髪を触られる事なんてないから恥ずかしい
なんだこの人は!天然か?
「あ、ごめん セクハラだったか
妹いるから…つい 」
ついやっちゃうんですか?
それとんでもない女の子キラーですね
「私 そんな妹感なくないですか?身長も高いし、童顔じゃないですよ?」
女子にしては高い164㎝
クラスの男子より高かったりするし、目つきも悪い気がする
だからあまり自分が頭を触られる事はない
「うーん?そんな高くない気がするんだけど」
お兄さんが歩き出しながらこちらを見る
「確かにお兄さんと比べたら、私は身長が低く見えるかも知れないですが」
なんというか 自分が女の子だって認識するのが恥ずかしい
お兄さんにじっと見つめられて、顔が赤くなる
赤くなるのが恥ずかしくて、更に赤くなる悪循環
ずっと下を向いてしまう
あー、夕日で誤魔化せないかな
まだ怖い
だけど、お兄さんと話していると、私は気付かないうちに落ち着きを取り戻していた




