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ドガァンと言う音と共に私達は飛び出す
走って走って走りまくる
出口に向かってる
お兄さん、謝るんじゃなかったんですか
とか思ったけどそんな場合じゃない
追いかけてくるんだ
あの影が…
結んでいた髪留めが弾き飛ぶ
「いつまでアレ追いかけてくるんですか
神社!神社とか行きません?」
「神社か、たしかに良いかも」
私達は走り出す
町は異様な感じだった
夕方5時の鐘が鳴る
誰ともすれ違わない
「平気?」
「すみません、私 走るの遅くて」
私は邪魔だろう、あんなヤバイものに追いかけられてるのに、お兄さんは私の手を引いて走ってくれる
置いていかないでいてくれる
なんて出来た人なんだ
「あれ?」
「どう、したん、、ですか?」
息切れながら話す
「さっきのやつ居なくてなってる」
「え?」
振り向いた
本当だ
なにも居ない
「影も居ないけど、人も居ないね」
「はい 5時なのに、誰も」
声が震えてしまった
「あぁ、ごめんね
大丈夫だよ 出れるって」
出れる?書庫室からはもう出たのに…?
どういうこと?
と思っていたら
お兄さんがこちらをジッと見つめる
目が合いっぱなしだ
「髪留め 落ちちゃったみたいだね」
言われて気づく
「さっき走った時に落ちたのかも」
髪はボサボサだ
「そっか 俺、ほかの髪留め持ってるよ」
そういってお兄さんが取り出したのはピンク色の髪留めだった
いや、なんというか男の人が持ってたら随分珍しい色の髪留め…
んん?お兄さんってもしかして…
いかんいかん、差別意識は持ってはいけないぞ
男の人がそういう色を持ってても良いじゃないか、多種多様な価値観があるんだ
うーん…




