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パチリ
電気が切れる
「きゃっ」
そしてすぐについた
「びっくりしましたね」
「電球切れそうなのかな」
ビビる私とは違って、お兄さんは全然驚いてない
強いなぁ
また電気が点滅する
何かが見えた
黒い影
電気が消えるたび
近づいてくる
「うやぁぁあわぁぁ
お兄さん!お兄さん!!」
ヤバイヤバイヤバイ
「え?」
「やばい きてるきてる!なんか来てる!
やばい!」
敬語を忘れて話しかける
お兄さんがその影をみる
「逃げよう」
パシッと私の腕を掴んで走る
「書庫室で逃げても拉致があかない
入口壊しちゃう?」
夢中で走る私にお兄さんは声をかける
「もう、仕方ないです
入口壊しましょう」
「あとで図書館の人に一緒に謝ろっか」
優しい声でそういったお兄さんは
乱暴に、思いっきり図書館の扉を蹴破った




