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ビックゥゥとした
書庫室の中から声がした
あきらかに私に話しかけている
なぜ書庫室に?
恐る恐る後ろを振り向く
しかしそこには見知った顔があった
「あれ、お兄さん?何でここに」
隣の家のお兄さんだった
私より1つ年上で、確かミツキさん?だったかな
「勉強しに図書館に来たんだけど、書庫室が空いてたからちょっと覗いてた
足音が聞こえたから咄嗟に入っちゃった」
入っちゃったってお兄さん…
思考回路私と似てますね
私の足音を聞いて中に入ったのかな
「わたしもそんな感じです
覗いてたら司書さんが来てとっさに隠れました」
入口から離れお兄さんに近づく
「同じじゃん」
お兄さんはニコニコ笑ってる
なんかお兄さんと話すと安心する
「どうします?
なんかドア開かないんですよ
てか、すっごく静かじゃないですか?」
「うーん?防音とは思えないし叫んでみる?
誰かしら気付くと思うよ」
「じゃあ…その。誰かー!!」
静かな部屋に私の声が響き渡る
「なんかおかしくないですか?土曜ですし人もわりと居たじゃないですか
なんで誰も気づかないんですか?音すら聞こえないし」
ちょっとパニックになってしまって、まくし立てるように言ってしまった
でもお兄さんは笑って
「大丈夫だよー、最悪1日くらい放置されても死にはしないし 俺、友達にラインする
それで来てもらうよ」
「有難うございます
結構大ごとになっちゃいますかね?」
「ちょっと怒られるかもね
まぁ一緒に謝ろっか?」
「はい」
年上だからなのか、お兄さんの言葉は凄く安心感が持てる
というか、お兄さんは包容力がある
モテているって噂があるけど、納得だ
そんな人と二人きりなのか
「お兄さん、冷静ですね」
「うーん、まぁすぐ出れる気がするし
清美ちゃんは閉所苦手?」
唐突のちゃん付け
「あ、はい なんか狭い所って怖いんですよね
というか、私の名前知ってたんですか?」
「うん、あ、もしかして俺の名前知らない?」
「ミツキさん?ですよね」
「うんー!まぁそんな話した事なかったけどお隣さんだしね」
うわぁ、名前で呼んじゃった




