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転生蛙の異世界冒険譚  作者: メロン男爵
3/11

3話 オタマジャクシVS蛙

足が生えたことで泳ぐのがかなり楽になった。

なにより噛み付く以外の攻撃が出来るようになったのだ。

俺はスイスイと蛙泳ぎをしながら水中を彷徨っていた。

この辺りは生物があまりいない。

オタマジャクシを殲滅させてしまったせいで俺は一匹だけの寂しい旅を続けていた。


最近の暇つぶしはこれだ。


(鑑定!)


==================================


リエール地下迷宮の壁

リエール地下迷宮に生えている水草

リエール地下迷宮に生えている水苔

リエール地下迷宮にある石


==================================



目に付いたものを鑑定で調べていく。

鑑定のスキルレベルが2になったことで少しだけ情報量が増えた。


ピロピロリーン


『鑑定のスキルレベルが3に上がりました。』

お、またレベルが上がったらしい。

確認してみると鑑定のスキルレベルが3に上がっていた。


試しに鑑定を使ってみる。


==================================


リエール地下迷宮10層の壁

リエール地下迷宮10層に生えている水草

リエール地下迷宮10層に生えている水苔

リエール地下迷宮10層にある石

ルーメルン草:滋養促進効果あり。 一般的に薬草として親しまれている。


==================================


お!

生えている草が新しい反応を見せた。

俺は草に近寄ると食べてみる。

体力はMAXだったので特に変化はないが説明を見るに恐らく回復アイテムなのだろう。


しかし俺には手もなければ入れ物もない。

ルーメルン草の形状だけ覚えて諦める。

そして進もうとしたところで頭に声が響く。


『警告、前方10メートル先から未確認生物が接近中。』


マユの声を聞き急いで岩陰へと隠れる。

眼前に現れたのは大きな鋏を二つもった生物だった。

形状はザリガニに似ている。

サイズは俺の5倍程で体感では5メートルはありそうだ。

もちろん自身のサイズから見ての話だが、それにしても俺の勝てそうなサイズ感ではない。


こちらには気がついていないようなので試しに鑑定してみる。


==================================

種族名:リエールロブスター Lv.15

==================================


鑑定のスキルレベルが3に上がったことでレベルまでは見れるようになっていた。


レベル差が10もあれば勝つことはかなわないだろう。

しかし、魔物が少ないこの水中ではレベル上げをするにはこういった魔物を狩らなければいけない。


俺は少し考えたところでスキルポイントが余っていたことを思い出した。



そう思いマユに声をかけて取得できるスキルを確認する。


==================================

【毒牙】    必要ポイント10

【泳ぎ上手】  必要ポイント8

【カナヅチ】  必要ポイント3

【成長】    必要ポイント5

【水刃蹴り】  必要ポイント30

【脚力向上+3】 必要ポイント10

==================================


前回に比べ足が生えたことにより水刃蹴りと脚力向上という項目が増えている。

しかしこれはどういったスキルなのだろう?


あ、鑑定を使えばわからないかな?

そう思い試してみると案の定成功した。




==================================

【毒牙】:牙に毒属性が付与される。

【泳ぎ上手】:泳ぐスピードが速くなる。

【カナヅチ】:泳げなくなる。防御力が上がる。

【成長】:成長スピードが上がる。

【水刃蹴り】:水の刃を足で飛ばす。

【脚力向上】:脚力が上がる。

==================================


うーん。

やはり鑑定のスキルレベルが低いとあまり詳しくはわからないな。

新たにわかったことと言えばカナヅチには防御力を向上させる効果があるらしいことだ。

だが泳げなくなるなら論外だな。

気になるのは毒牙と成長、そして水刃蹴り辺りだろうか?


(マユ、オススメのスキルとかある?)

『リエールロブスターに対する勝率。水刃蹴り1%毒牙5%他は0%です。』


なるほどやっぱり毒牙が優秀か。

よし。

俺は毒牙と成長をスキルポイントで取得することに決めた。

ステータスの変化はこうだ。



==================================


名前:

種族名 リエールフロッグ(幼体)

Lv.5

HP:12/12

MP:15/15

SP:12/12



スキルポイント:0


*スキル*

【マユの声】【痛み耐性Lv.2】【鑑定Lv.3】【毒牙Lv.1】new【成長Lv.1】new

*称号*

【愛に生きる者】【共喰い】【幼体の王】


==================================


よし、変わったな。

でもあのザリガニには勝てそうにないので戦うのは避けよう。

俺はそう決めるとじっと岩陰に身を潜め続ける。


そういえば自分のステータスを鑑定したことってなかったよな。

気になるのは【愛に生きる者】という称号。

身を潜めている間に試しに鑑定を使ってみる。



【愛に生きる者】:愛に生きた者だけに与えられる称号

 

 

結局わかっていること以上のことはわからなかったな。

鑑定のスキルレベルがまだ低いか。


そうこうしているうちにザリガニは何処かへ行ってしまった。


しかし困ったな。

このだだっ広い水中の中で出会った魔物がサンショウオとザリガニ、オタマジャクシの三種。

俺が勝てそうなのはオタマジャクシだけときた。

どうやってレベルを上げればいいのだろう。


今のところ食料はその辺の食べれそうな草を食べておけばなんとかなっている。


まずいけど。


問題はレベル上げだ。

俺は早く蛙になって陸地に上がりたい。

俺は水路を進むと陸地に繋がった浅瀬へと到着する。

水面から顔を出すと洞窟のように真っ暗な通路が眼前に広がっているのを見た。

ここは洞窟の池の中のようなのだ。

もちろん迷宮なのだが、岩で囲まれた空間は洞窟にしか見えない。


ん?


俺が水面から通路を見ていると一匹の蛙が近づいてくるのが見えた。

その蛙は水色で如何にも毒を持っていそうな風貌をしている。


俺はまさかと思い鑑定を行う。


==================================

種族名:リエールフロッグ(成体) Lv.5

==================================


おぉ!やっぱりそうだ!

あれが俺の成体バージョン。

どうやら浅瀬で水浴びをしているようだ。

これはチャンスなのではないだろうか?

ロブスターやサンショウオには敵わなかったが同レベルのこの個体なら勝てるのでは?

恐らく同レベルでもあちらのほうが能力的に優秀なのだろうが、俺には知能がある。

よし、狩ってみよう。


そうと決まれば即行動だ!


俺はゆっくりと蛙の背後へと回り込み近づく。

そして背中から噛み付くと蛙は驚いて飛び跳ねた。

俺はすぐに口を離し様子を伺った。

蛙はこちらに眼を向け固まっていた。

まさかオタマジャクシに襲われるとは思っていなかったのだろう。

さて、毒は効いているのだろうか?


じーっ


蛙は俺の方を見て固まっている。


あれ?効いてるのかな?

もしかして死んでる?

いや、喉は動いて……


そんなことを考えていると、突然蛙が大きな口を開ける。

そして物凄いスピードで舌が俺へと伸びてくる。

舌は俺に触れると俺の体に吸い付きそのまま口の中へと引き摺り込まれた。


うおぉぉぉぉぉ!!?


弾力のある生臭い体内に俺は捕縛されてしまう。

身体中がピリピリとした痛みに襲われる。


『腐食耐性を取得。 痛み耐性がレベルアップしました。』


まずい、これは胃液か!?

俺は蛙の体内でもがくがどうやっても出られそうにない。


くそ、こうなったら!!


俺は蛙の体内の皮膚に噛み付く。

噛み付く。

噛み付く!


とにかく噛みまくった。

そして噛みちぎる。


『毒牙のスキルレベルが2に上がりました。』


マユがなにかを伝えてきているがそれどころではない。

必死に噛みちぎり続ける。


そしてついに腹を食いちぎり外へと飛び出すことに成功した。

蛙を見ると、ピクピクと痙攣して死んだ。

なんとか勝てたようだ。

そしてまた頭の中にレベルアップの音が鳴り響く。


『レベルが6に上がりました。 称号毒使いを取得しました。』


お?またレベルアップだ!

早速確認してみる。


==================================


名前:

種族名 リエールフロッグ(幼体)

Lv.6

HP:13/2

MP:16/16

SP:13/3



スキルポイント:5


*スキル*

【マユの声】【痛み耐性Lv.3】【腐食耐性Lv.1】new【鑑定Lv.3】【毒牙Lv.2】new【成長Lv.1】new

*称号*

【愛に生きる者】【共喰い】【幼体の王】【毒使い】new


==================================


よし、スキルはかなり充実してきたな。

それにしても危なかった。

HPが残り2しかない。

これが0になれば死んでしまうのだろうし、SPが少ないのは暴れ回ったからだな。

SPはほっとけば段々と回復していく。

しかし、HPはこのままにしておくのは危険だ。

そこでルーメルン草が生えていた場所まで泳ぎ食べる。

味はまぁまずいな。


HPが全回復するまでそこで休み岩陰で眠ることにした。


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