勘違いの騎士と賢い従者Ⅱ
某漫才コンビのパロディー、まさかの第二弾です。
IDECCHI51様のリクエストで書きました。反省はしてますが、後悔はしていません。
「昨日の晩、小説家になるか? というサイトで」
「なろう、ね。疑問形じゃない」
「いろいろ調べてたら、面白い推理作家さんを一人見つけたんですよ」
「というと?」
「Kanさんって知ってます?」
「今更だね」
「今日はKanさんについて調べてきたので、お話しさせていただきます」
「大丈夫かな」
「Kanさんは、一九六二年、福岡県福岡市に生まれのシンガーソングライターで」
「それは、大文字のKANでしょ? ライター違いだよ。ちゃんと紹介しなさい」
「名探偵羽黒祐介シリーズを始め、数々の推理小説を投稿されている作家さんで、最近では、フユ、違うな。アキ、違うな。えーっと」
「ナツさんだよ。覚え方が雑だな」
「ナツさんとのコラボで、『グレゴール・ザムザ殺人事件』という不条理小説を完結されました」
「グレゴール・キング、ね。出てくるのは、毒虫じゃなくて蠅だから」
「そんなKanさんは他にも、純文学、歴史小説、童話、詩、エッセイなど、ジャンルにとらわれず、多方面で執筆されていまして」
「ねえ。マルチな才能の持ち主ですよ」
「しかも、学芸員の資格をお持ちの秀才なんです」
「ええ。これは、ホントの話」
「そして、夢学無岳さんから挿絵を三百五十万円で買い取ったとか」
「それは、ウソ。描いた挿絵に、Kanさんから三百五十万円の鑑定額をつけてもらったと、夢学無岳さんが制作日記に書いただけの話」
「ええっ! そいつは、とんだ嘘つきだな。お巡りさん、この人です!」
「他人を変質者のように扱うんじゃありません。失礼だな」
「でも、日記や活動報告を見る限り、いつ通報されてもおかしくないことばかりやってますよ?」
「情報を鵜呑みにするんじゃない。リテラシー力が低すぎる」
「こうなると、羽黒探偵に真実を暴いてもらわないといけませんね」
「うまいね。でも、うまいこと言った、みたいなドヤ顔は、やめなさい」
「それでは皆さん、この機会に是非とも、成宮りんさんを覚えて帰ってください」
「それは、まったくの別の推理作家だよ。いい加減にしなさい」
「「どうも、ありがとうございました」」
Kan様、ナツ様、夢学無岳様、それから成宮りん様。本当に、申し訳ございませんでした。