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ぼくたちは支配されたあと  作者: かたち
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わたしはここにいます

 ぼくのことばはそういうもんじゃない。だから認めないでくれ。いままでいったことなんて全部意味のないもの。まあいわずともわかっているだろう。このことばは全部呪いだから。なにがどうあれがそうってはなしじゃない。ただわたしがあっちにいこうそちらへいこう。そういうわたしがいきたいいようとするために産まれたことばなんだ。だから聞かないでくれそういうものだとわかっていてくれ。所詮はそれ以外なにも話せないんだから。


「わたしはここにいます」

 宣言。せかいは宣言した。居場所の宣言。そうきこえた。

 それからはせかいは居場所しかつぶやかなくなった。せかいはつぶやき。わたしはここにいますよ? それ以外に聞こえなくなった。

 どうしようもなくせかいは居場所を求めた。わたしたちの所在。ここかあそこかどこか遠いところか。わからない。でも居場所。わたしがいられるなら。嘘でもそう認めて。わたしはここにいます。そうつぶやく。


 住所失いわたしはただ迷い。わたしは記憶をここだとおもった。あのときの思いで。カツとかコロッケとか。おいしかったな。ほかほかだったな。そういえばあのときさとなりのよっちゃんがさコロッケ丸呑みしてよ喉つまって川に飛び込んだな。

 そうやってわたしはここにいた。ここ以外にここなんてなかった。



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