実際飛んだ穴だらけの沈没船出身
わたしたちは飛ぶしかなかったし実際とんだ。限りないいのちなんてもっぱらのうわさ。でもそういうほらにすら飛びつき食いちぎるしかない。わたしたちは船を下りて穴だらけのわたしを許容しなければいけない。沈没と言う運命を認めたくないならまったくの嘘を真実といいつづけなければいけない。あなたになりたいならそうするしかない。
「まったくあなたは穴だらけ」
そうしかここにはいられなかった。わかっていてもわからない。わたしは穴だらけなんて嫌だった。完全無欠になりたい。許せない。
ただそれでいてわたしはそれを認める他ない。それが限りなくわたしという環境だった。自らを認められない。用はわがまま。完全無欠って言葉には程遠い。
「れんこんよりはましですよ」
わたしは強い。だれよりも。だからわたしはもっともっと穴だらけになってやろう。穴だらけなわたし。ただそれは穴だとわかるからそういわれる。ならば穴なんて思わないほどに穴開けまくってまったくのもぬけのまぬけになってやろうじゃないか。それこそ完全無欠。
「じゃあピーマン?」
もっともっと。ひょうたんよりうえ。もうないほどになるのだ。
「わたしにはやることがあるのでさようなら。また今度」
そういって席を後にした。
どうしても宇宙にいくまでに嘘をつくと言う事はそれだけの無理をしていること。色々に嘘をついてきたこと。そう思いながら宇宙を浮遊していた。わたしはどこにいくのだろう? もう救われることはないがせめてこの身体がどこに行き着くのかぐらいは気になってもいいはずだ。ただそんなことばっかり考えているうちにわたしは生命を終えた。
せかいとは認められない。だって飛んでいる。ぶっつぎりでなにがなんやら。もう読めたもんじゃない。でもこう書くしかなかった。わたしの知らないものをかこうとおもったらほらをつくしかなかった。
「なにもかもが中途半端なんですよ」
わかっている。それがわたしなんだから。でもいつまでもそうではない。すくなくともそうおもっている。
ほらでもつき続ければほらじゃなくなる。生活が後からついてくる。そんなことおもいながら。