異世界転生は消去法
異世界転生の前に異世界以外を書く意味があるか?ここがポイントになると思う。異世界転生はピークが過ぎた。じゃ新しい作品別の作品を書きたい。誰だってそう思う。でもそれを作家が人に教えることは無い。自分で書くから。それでも創作論として書ける事はある。書くべき作品じゃなくて、書くのを避ける作品なら語れる。
すぐに思いつくのはSFだろう。さてここで問題になるのが何故SFが廃れたか?が重要にナル。まず根幹となる宇宙を舞台とした作品が現実で宇宙開発が衰退してそれに引くずられた問題。これは創作とは関係ないのでどうする事も出来ない。次に宇宙物の大半は異世界で可能である点。異世界との違いで宇宙のポイントになるのが惑星間の移動になる。これ面白いのだろうか?私ならこれ真っ先にどうでも良い描写だと考える。
敢えて面白さを見出すなら宇宙空間における戦闘。ここしかない。これ以外何の面白みも無い。そしてこれらの描写で面白いのは絵実写での表現になる。星と星を移動するなら異世界と異世界を繋いでしまえばよい。かなり近い考えでワールドトリガーと言う作品は異世界人なのか?宇宙人なのか?良く分からない世界観になっている。
次の問題としてファンタジー(伝記を含めた)に対するSFの面白さは何か?となると、リアリズムとの相性のよさになる。SFはリアリズム重視以外面白みが無い。それゆえリアリズム軽視のライトノベルとかなり相性が悪い。何故SFが廃れたのか?よりも漫画ラノベの流れでリアリズムにあまり拘らない代わりに刺激的な作品が増えた事にある。
SFの復活があるならそれは小説という大きな枠の中だけで、ラノベの中ではブームを巻き起こすような復活はありえないだろう。SFと言うジャンルが衰退したと言うよりリアリズムにこだわらないならSFよりファンタジーの方がより強い飛躍を生み出せるから。
小説と言う大きな枠で見たSFと言うジャンルそのもの衰退とは上記は関係ない。ラノベにおいては恐竜と鳥類の関係と似ていてSF的面白さは形を変えてファンタジーに取り込まれてしまったと見ている。リアリズムに拘らないならSFは衰退したのではなくてファンタジーに吸収されてしまったと見るのが妥当だと私は考えている。だからSFが次に来るのは過去のままならありえないと見ている。
次に現代。これも当分駄目だと思う。そもそもオタク的=ラノベ的な物語は現代が舞台の作品が主軸だった時代はほとんど無い。SFからスタートして、次に異世界ファンタジーが来て、学園が来る。この学園者こそが現代の舞台で一番大きなヒットになったものになる。これ以外そんな時代は無い。
じゃ何故この学園者がヒットしたのか?これは物語がヒットしたのではなくて、異性キャラクターを愛でるブームが来ただけで、その舞台としてキャラ以外の部分が軽視されたから都合の良い学園物がヒットしただけだと見ている。学園者はキャラクターを見せる以外に価値が無い。
学園者の唯一の価値は、10代にとっての重要な世界だという点。しかし、今時ラノベが10代を対象としてるなんて話は無い。それゆえメリットがなくなってしまったと見ている。10代以外を読者から排除するなら学園物はまだまだ使える舞台だと思う。それ以外では価値を感じない。異性キャラクターを楽しませる事を最大の価値とするような物語以外学園物に価値が無いと見ている。
後リアリズム重視ならまた変わってくると思う。すべての原因はラノベがリアリズムへのこだわりを捨ててとった新しい刺激にある。ラノベのその発展とリアリズム重視の刺激は相容れない。今でも異性キャラクターで楽しませる異世界物は多い。しかし学園者ほど異性キャラクターが刺激的ならそれ以外何も価値が無い作品は異世界物ではなくなってしまっている。
学園者は異性キャラクターを愛でるブームに都合の良い安上がりな舞台だったに過ぎない。そのブームが去った今学園者の復活は無いと見ている。もちろんこれかも絶滅はありえないと思う。ただ異世界転生を辞めて書くほどか?と言うとそんなものじゃないと見ているし、重要なのは学園者を書いてもおそらく大半は異世界での学園なのじゃないか?と見てる点。
他に現代の作品は基本リアリズム重視が面白さの基本なので全滅になる。異世界ファンタジー以外書く物が残されない。そういった窮屈さを考えるとVR物が結局異世界転生に吸収されてしまったのは必然だと見ている。
今の状況は単純な流行ではない。不可逆な時代の推移によるもので、これを良くある繰り返される時代のサイクルだと見ていたら失敗すると見ている。アニメ漫画ラノベの物語は行き詰っている。
ただし、物語は古臭い王道を細部を整えて完成度を目指して作っていくのも人類の物語の歴史。だからラノベは行き詰ってるけど、物語が行き詰ってるわけじゃない。物語はそんなにポンポン奇抜なものが生まれなくても過去から衰退したことが無い。みんな同じものばかり繰り返してみてる。むしろリアリズム軽視で得た飛躍によって奇抜なものをどんどん創っていくラノベがおかしい。