レベルと職業
※曖昧な世界観設定、ちょっと変態な主人公、奴隷制度あり。
※以上のことに嫌悪感を感じられた方は逃げてください。
※友情以上恋愛未満の境目が良く分からないので保険として「ボーイズラブ」のタグをつけています。
◆ エデン ◆
レベルと言う概念が存在する不可思議な世界が有った。
そこに住まう者達には総じてレベルと言う概念に従って生活をしていた。
高レベル者や潜在能力の高い者は「冒険者」となり世界を旅し、時には強大な魔物にも立ち向かって資金を稼ぎながら生活を成り立たせる。
危険な物事に近付きたくない者達は「生産者」となって食物を加工し、貴金属を加工して冒険者向けの防具や武器などを造る職業に就いた。
それ以外にも畑作を日常的に行う「農業者」、特定の国には属さない流れの「戦士」、只一つの国やそこに住まう民のために仕える「騎士」、隠密行動を得意とする「暗殺者」が存在している。
また魔法と言う摩訶不思議な力を専門に扱う者たちを「魔法使い」と「賢者」、そして「神官」と呼んでいる。
前者二つの職業は己の心の赴くままに力を使う者たちを指し、後者は神殿と民に仕える者として区別して呼んでいるのだ。
神聖な魔法を使う「神官」は体力を回復させたり、状態異常を治す事に長けている。
対して「魔法使い」や「賢者」は他者を傷つける攻撃魔法を中心に扱う。
だが、長い修行を重ねた「賢者」は適性さえあれば回復魔法も操れるようになると聞く。
誰がどの特性に適しているのか。
幾つの職業を兼用できるのか。
それを知るのは唯一神である「フィメーニア」のみ。
この世界に生を受けた生き物は5歳になると神殿へ赴き、神からの信託を受ける事になる。
誰もが希望を胸に秘めて神殿を訪れる。
望む職業に適正がある者もいれば無い者も居る。
だが、若人達よ。諦める事はないのだ。
望みの職業に適性が無かったとしても仕事が出来ないわけではない。
適正があった者と同じように汗水たらして働く事が出来る。
ただし。これだけは覚えておくと良い。
適性が無かった職業に就いても貴方が成長できるとは限らない。
周りの適正者たちは段々と頭角を現し始めるころ。
貴方は絶望に苛まれるかもしれない。
どうして自分は成長できないのだろうと自問自答する日が続くだろう。
そんな時は神殿へ赴くといいだろう。
神殿は迷える子羊たちを放り出しはしない。
神の機嫌がよければ望みの職業に適正をもたらしてくれるかも知れない。
だから若人達よ。あまり深く悩む事はない。
気分転換に適正の無かった職業に手を出してみるのも有りなのだ。
その頑張りが神の目に留まれば貴方にも適正が現れる可能性は十分にあるのだから。