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青く暗い朝方に2人で美佐子の実家にある物置に昔のおもちゃを取りに行った。


美佐子の実家の横にひっそりと建つ白いペンキで塗られた木造の倉庫、その扉にかかるダイヤル式の鍵を美佐子はくるくると回しだした。

「4615」と美佐子はつぶやいて、どうやって覚えていると思うと振り返って聞いてきた。


目があって、その顔に見取れてしまって質問の意味がよくわからなかった。「さぁ」としか答えなかった。


「白い子」と、目を細めて笑った。僕は美佐子の笑った顔を記憶しておこうと、一生懸命に見た。


扉を開け、中に入ると照明が壊れており、お互い手に持った携帯電話のライトだけで奥へと進んでいった。


奥に進むと人がいた。


その男の人の顔は緑色をしていて、美佐子はこの人は植物人間だからというと、僕は納得してしまう。


それから暗闇で怖いなと思うたびに、ヒザを抱えたその男と目が合う。


怖いなと思い、目をつぶったところで消えてくれない。


暗闇で目を閉じても同じなら、せめて何か楽しいこと面白いことを考えたり想像しようとするが、そんな都合良く楽しいことや、面白い事なんて思い浮かばない。


美佐子の笑った顔を思い出そうにも、ハッキリとは思い出せない。


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