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穴に挟まった子猫の傍にいる大きな猫が僕に向かってにゃーにゃーと大きな声で泣いている。
首を掴んでも引っ張っても首が伸びるだけでどうにもできないので、美佐子は素手で穴の近くを掘ろうとするも爪が割れて指先が血が出てるので何か棒のような物探してくるからそれやめろと探しに行く。
持ってきた棒でほじくろうとすると猫に刺さるかもしれないと棒を掴まれる。
しかたなしに代わるよと猫の傍を掘るけど土がめちゃくちゃ硬いのだけど美佐子の顔を見るとやめるわけにもいかない。
大丈夫? なんて聞かれるけども全然さっきから掘れてない。
掘る位置を変えてみるかと色々触ると少しだけ柔らかい部分が見つかり、もう少しで取り出せると言うところまでは進んだがそこからは一番最初に触ったところよりも堅い。
美佐子も大きな猫も大丈夫? というような顔をするので、ここはやわらいからなと無理して掘り進めるが指先の感覚がなくなって、汗ばかりが噴き出す。よく見ると指が半分無いので、この指が半分ないの、どうやってごまかそうかなということばかり考えてる。