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Musica Elaborate  作者: 柊
本編~学園編~
3/59

プロローグ



虚空に鳥が舞っていた



彼はただぼんやりとそれを見つめる




――――――あれはまるで己のようだ




たった一羽の渡り鳥



その姿は彼自身とよく似ていた





過去人が聞けば笑うだろう


『英雄』たる自分が『迷い鳥』とは、馬鹿げたことだと




――――――ならば己は馬鹿なのだろうか




自嘲する



しかしそれは真実だ



己が『迷い鳥』たることも、『孤独』たることも、『馬鹿』であることも





しかしそれを指摘する者は誰もいなかった









――――――いなくなった








彼を諌める者は消え、彼を笑う者は消え、彼を正す者は消え



残ったのは賞賛、恐怖、名声、畏怖、殺意




『孤独』のみ





彼は1人だった



かつては友と並び立ったこの地で、彼は1人だった








虚空を迷い鳥が飛んでいる



誰を捜しているのだろうか



何を求めているのだろうか







――――――赤紫の瞳を巡らし 何を欲しているのだろうか







地に、黒い染みが1つ








            彼は、        鳥は、









ただ声を上げて啼く









とめどなく流れ落ちる雫を忘れようと


虚ろな心を埋めようと




――――――美しく忌まわしい瞳を、ただ、ただ濡らした












                       Musica Elaborate










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