月明かりに肌色
月明かりに肌色。
まあ、とりあえずそんなふうな綺麗な言葉を先に言っとけば、なんとかなんじゃん?
僕はほろよい。
ちがくて、酔ってんじゃなくて、名前。
自己紹介したの。珍しいでしょう?
女の子だよ。ほろよい。
外はすんごい雨で、雨は好きだわ。
ひとつ問題は、今日はコンサートの日で、
僕は、かっこいいので、バンドをやっていて、
かっこいいロケンロなの。
雨は野外で、コンサートも野外で、そうなると普通に濡れちゃう。
濡れちゃうのをなぜか僕以外の、生きている人間は、嫌うから、コンサートは延期とかなりそうな予感がする。ええ?やだな。とりあえず酒飲も。
『やんぞ』
メンバーの、宝ヅカ美から連絡があったのは
午後3時。寝てた。おはよーほろよい。
野外はまだ雨ってゆうか、すんごい大雨。
そんな中、コンサートやんの?
最高じゃん。酒のも。
『はよこい』
メンバーの、美にゅうブラら子から連絡があったのは午後5時。寝てたー。ほろよい。にゃん。
野外はドシャ雨ってゆうか。
そんな中、コンサートやんの?
狂ってて楽しいじゃん。ねえ。ロケンロすんぞ。
『お客さんつきましたよ。おきてください。』
タクシーの人に起こされたのは、
コンサート会場の前。午後6時半。
寝てた。でも元気だぞ。
『おはようございます』
『おはようございます』
『おはよ。』
『おはようございます』
『うん。おはよ。』
『おはようございます』
『おはよ。ちこく。』
『おはようございます』
『おはようー。ほろよってんの?』
『おはようございます』
あのさあ、コンサート会場には、僕のバンドのメンバーの他にも、共演者さん、音響さん、照明さん、
雑用の若い子さん、オーナーさん、オーナーの恋人さん、物販担当さん、メイクさん(バンドによる)、お酒の配達の人、なんかよくわかんない女の子たち。とかたくさんいんのね。
みんなに挨拶しているのを、丁寧にここに書いてると、コンサートに間に合わないから、
もういい?
僕は、みんなに
『おはようございます』、と言った。
はい。
あ!
もちろん。みんなずぶ濡れ。
肌色。すけすけ。
はい。
コンサートが始まるよー。
どしゃ濡れ!
ほろよい!
コンサートは体験だ。
必要なのは感情だ!
お客様に体験を、感情をぶっ刺してやるんだ。
刺され。刺され。
れ。
刺された人は、僕を刺して。ねえ。
見たことないものを。感じたことのないものを。
コンサート終わったよー。
できた。
んふひ。きもちいかった。ほろよい。ぴ。
『おつかれさまでしたー』
『おつかれ。ほろよい』
『おちかりさまでちたぁ』
『すげえよっぱじゃん笑 おちかりほろよい』
『でしたあ』
『おつかれさま。がんばったね。ほろよい。』
『おっす』
『テキトー笑。楽しかったね。ほろよい。』
あのさあ、コンサート会場には、僕のバンドのメンバーの他にも、共演者さん、音響さん、照明さん、雑用の若い子さん、オーナーさん、オーナーの恋人さん、物販担当さん、メイクさん(バンドによる)、お酒の配達の人、なんかよくわかんない女の子たち。とかたくさんいんのね。
みんなに挨拶しているのを、
丁寧にここに書きたいから。
それでいい?
『おちゅかり。』
『おつかれ。ほろよいちゃん。』
『おちゅちゅ。』
『なんだそれ笑 おちゅ。ほろよいちゃん。』
『おちゅちゅん』
『起きてる?おつかれ、ほろよいさん』
『ちゅーん』
『もうダメっぽくない?ほろよいちゃん?』
『ちゅうー』
『ダメやん笑 おつかれ。ほろよい』
『ちゅう』
『おつかれさま。ほろよい。眠い?』
『ちゅう』
『帰ろっか?』
『ちゅ』
『ふふふ。楽しかったね。』
『はぴ。』
雨。
月明かりは雨雲の上。




