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まはーばーらた  作者: ゔぃやーさ
7/8

勝者なき勝利

戦争が終わった。


十八日間の地獄を越えて、すべてが静かになった。


王座は、ゆうぢのものになった。

おれたちの兄弟の中で、いちばん穏やかで、いちばん深く考える男。


でも――あいつ、ぜんぜんうれしそうじゃなかった。


「こんな勝利に、意味があるのか?」

そう、ぽつりとつぶやいた。


かるなの真実を知っていた。

どらうぱでぃの涙を、忘れていなかった。


戦いの果てに残ったのは、王冠じゃなくて、重すぎる責任だった。


あいつは、王としての重さに押しつぶされそうだった。

勝ったはずなのに、心は沈んでいた。


そして――

くりしゅなも、静かに去っていった。

何も言わず、ただ、時の流れに身をまかせるように。


時代が、終わったんだ。


剣も、怒りも、誓いも、すべてが風に溶けていった。


残ったのは、静けさだけだった。


……勝者はいた。

でも、勝利はなかった。

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