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まはーばーらた  作者: ゔぃやーさ
2/8

どらうぱでぃは泣いていた。おれたちは誓った。……でもまずは筋トレから

あれは、ほんとうに最悪だった。


きっかけは、ゆうぢ。

おれの兄弟で、ぱーんどぅ家の長男。

頭がよくて、正義感が強くて、でもちょっと……勝負事に弱い。


そのゆうぢが、あのさいころ勝負に負けたんだ。

しかも、ただのゲームじゃない。

王国も、財産も、ぜんぶ賭けてた。


結果? ぜんぶ奪われた。

まじで、ぜんぶ。


でも、それだけじゃなかった。

どらうぱでぃまで、賭けの対象にされた。


どらうぱでぃは、おれたちの王妃。

気が強くて、誇り高くて、そしてめちゃくちゃ美しい。

おれたち五兄弟の中で、いちばん心を通わせてくれてた人。


そんな彼女を、あいつらは人前に引きずり出して、笑いものにした。

まるで物みたいに扱ってさ。


おれ?

もちろん、ぶちギレてた。


今すぐにでも、あいつらをぶん殴りたかった。

でも、そこで手を出したら、終わりだった。

その場で怒りにまかせて動いたら、

おれたちの立場も、誓いも、ぜんぶ崩れるってわかってた。


どらうぱでぃは、涙を流しながら言ったんだ。

「このくつじょく、ぜったいに忘れない」って。


その言葉が、おれたちの胸に深く突き刺さった。

おれたちも、心に誓った。


「いつか、かならず取り返す」って。


あの日の痛みも、悔しさも、怒りも――

ぜんぶ、忘れない。


そして、いつか必ず、正しさを取り戻す。

それが、おれたちの誓いだ。


……でも、誓いだけじゃ足りない。

力がなきゃ、何も守れない。

だから、おれは筋トレを始めた。


毎朝、日の出前に起きて、腕立て、スクワット、ランニング。

剣を振る前に、まずは自分の体を鍛える。

怒りを力に変えるには、地道な積み重ねが必要なんだ。


兄弟たちも、最初は笑ってたけど、

今じゃ全員でトレーニングしてる。

「復讐のための筋トレ部」って、どらうぱでぃには言われたけどな。


でも、だからこそ守りたいって思うんだよ。

おれたちの誇りも、どらうぱでぃの涙も――

ぜったいに、無駄にはしない。


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