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第三夜
第三夜
こんな夢を見た。
女がドレスを着たまま、出産を迎えようとしていた。病院ではなく、とあるアパートの外。階段の踊り場である。
彼女の腹から産まれてくる子は何人もいて、全員がドレスを着たまま産まれて来ていた。
普通、出産して産まれてくる子は裸ではないのか。何故、ドレスを着たまま産まれて来るのか。
彼女の腹の膨らみはへこまない。何人も産んでいるのに。痛みを感じてはいるが、多少力む程度のようだった。
子供たちはドレスを着たままであるが、背丈はすでに幼子ぐらいである。一体どういうことなのか。
ただ、子供たち全員が母親を求めて泣いているのは、微笑ましく感じた。
奇妙な光景には変わらないのだが、微笑ましく感じられるのは良いことだろう。
そこで、私は目が覚めた。あの夢は一体どんな意味が有ったのだろうーー。