フラッシュバック
ごめんなさい
きっかけは
テーブルをたたく音だった
ざわめくココロ
キュゥッとしぼむ心臓
すぐさま、ばくばくする鼓動
ちらつくワカラナイなにか
大きな音がきらい
大きな声がきらい
怒鳴り声なんて、大きらい
父は、気に入らないことがあれば
怒鳴り散らすひとでした
気に入らないものは
投げ散らかすひとでした
母は、そんな父の愚痴を語ります
毎日つらいのわかります
毎日愚痴を聞くボクは
何よりつらいのはわかります
祖母は女帝でした
自分の思い通りにならねば
ヒステリーを起こしたまま
すねて腐ります
祖父はボクに仕事を増やします
やっと歳が二桁になったボクに
なにをきたいしてるんですか?
かぞく?が、みんなこどもでした
おとなはひとりもいませんでした
ならば
ならば
かぞく?がこわれぬように
ボクはおとなになりました
ボクは私になりました
父の機嫌をとるために
機嫌の悪いときは
ボクは息をひそめて過ごします
私がうまくなだめるまで
母がためこんだ
ひびの愚痴や呪いを
聞いてあげるのです
ボクにはできないけれど
さすが私さん
祖母は思い通りにならねば
わめきちらしてすねて
どうにもこまります
私がなんとかしますとも
あぁ、あの子のすすり泣きが聞こえる
左頬をつたうのものは
なんなのだろう
わからない
わからない……
家族って
なによ?
ごめんなさい